高分子結晶化の基礎と制御方法および核剤による高分子材料の高性能化
結晶構造・高次構造、結晶成長機構、融解など高分子の結晶化に関する基礎を解説!高透明化、高剛性化や高耐熱化の達成!新規核剤開発の現状および今後の展望を中心に紹介!
高分子結晶化の基礎と制御方法および核剤による高分子材料の高性能化・高機能化
主催:R&D支援センター
日時:平成22年5月21日(金) 10:30〜16:15
第1部 高分子結晶化の基礎的概念と制御方法
≪講座趣旨≫
汎用プラスチックからスーパーエンプラに至るまで様々な結晶性高分子が利用されている。結晶性高分子の材料物性の向上には結晶高次構造制御が、加工性の向上には結晶化速度の制御が重要となる。本講では、結晶性高分子を利用した材料設計に必要不可欠な結晶構造・高次構造、結晶成長機構、融解など高分子の結晶化に関する基礎的概念を習得できるようにする。また、この基礎的概念を応用した高分子結晶化の制御方法の例について紹介する。
≪プログラム≫
1.高分子の結晶化の基礎
1-1 高分子の結晶構造と高次構造(単位格子、ラメラ、球晶)
1-2 結晶構造・高次構造の評価方法(広角・小角X線散乱、電子顕微鏡、偏光顕微鏡)
1-3 結晶成長機構(核形成・成長、Hoffman-Lauritzen理論)
1-4 結晶の融解(化学構造と融点、ラメラサイズと融点、融点降下)
2.高分子の結晶化と高次構造
2-1 ポリエステルの秩序化と結晶成長過程
2-2 ポリエチレンの結晶高次構造の温度変化と熱可逆性
2-3 ポリプロピレンの配向緩和と結晶化
2-4 ポリマーブレンドにおける結晶化速度の温度・組成依存性
2-5 ポリマーブレンドにおける非晶性成分の排除と多様な結晶高次構造
2-6 ポリオレフィンブレンドにおけるラメラ構造制御
【質疑応答・名刺交換】
第2部 結晶化核剤と高分子材料の高性能化・高機能化
≪講座趣旨≫
結晶化核剤は、高分子製品の高透明化、高剛性化や高耐熱化の達成による、高性能化・高機能化の有力なツールのみならず、成形サイクルの短縮や成形温度幅の拡大等により省エネルギーや省資源の一手法としても期待されている。ポリプロピレンやポリ乳酸などの高分子材料における核剤使用例の紹介、さらに新規核剤開発の現状および今後の展望を中心に紹介する。
≪プログラム≫
1.はじめに
1-1 添加剤の種類と効果
1-2 核剤とその性能
(1) 核剤の種類
(2) 核剤の作用機構と効果
2.ポリプロピレン用核剤
2-1 はじめに
2-2 リン酸エステル塩核剤
2-3 ソルビトール系核剤
2-4 高分子型核剤やその他の化合物を用いた開発例
2-5 β-晶核剤
3.ポリ乳酸用核剤
3-1 はじめに
3-2 核剤の開発例
4.その他の高分子用核剤
5.高分子型核剤の開発の現状
5-1 シクロペンタン構造を持つ高分子の核剤効果
5-2 オレフィン系高分子とシクロデキストリンとの包接化合物の核剤効果
5-3 オレフィン系高分子の構造と核剤効果の相関について
6.おわりに
【質疑応答・名刺交換】