熱電変換材料の高性能化とモジュール開発
熱電変換の高効率高性能化に向けた各種材料開発とその特性を詳解!!
〜高性能モジュール開発・自動車の燃費向上アシストに向けて〜
主催:R&D支援センター
日時:平成22年5月26日(水) 10:30〜16:45
第1部 熱電変換材料の高性能化へのアプローチ
≪講座趣旨≫
日本の一次供給エネルギーは約1/4しか有効利用されておらず、残りの3/4は排熱として放出されている。エネルギーの有効利用を推進するためは、排熱の回収・再利用が必須と言える。熱電変換材料は唯一の固体変換材料であり、コンパクトな排熱回収システムを可能にする。熱電変換材料の基礎、開発現状、高性能化に向けた取り組みを紹介する。
≪プログラム≫
1.熱電変換とは
1-1 熱電変換の基礎
1-2 熱電素子の基礎
2.熱電変換材料の現状
2-1 実用化された材料
2-2 開発中の材料系
3.材料開発の方向性
3-1 ナノ構造制御
3-2 結晶構造制御
3-3 ミクロ構造制御
4.今後の展望
第2部 酸化物系熱電変換材料の高性能化とモジュール化
≪講座趣旨≫
酸化物熱電発電は「軽楽安小」、つまり軽量で、メンテナンスが楽で、安心、安全、安価で、小型なシステムである。そのため、焼却炉や工業炉など高温廃熱が生み出される場所での応用に期待が持たれている。酸化物熱電材料は比較的新しい熱電材料であり、これまで実用化研究があまりなされてこなかった。
本講演では酸化物熱電発電の強みを生かすことができるマーケット創出のための素子、モジュール製造など技術開発の現状を紹介する。
≪プログラム≫
1.酸化物熱電材料の特性
1-1 熱電特性
1-2 結晶構造
2.素子製造
2-1 p型素子の製造
2-2 n型素子の製造
2-3 機械特性
3.モジュール製造と発電性能
3-1 接合技術
3-2 モジュール発電性能
3-3 耐久性
3-4 熱回収技術
4.酸化物熱電システムの将来
4-1 実用が期待できるマーケット
4-2 新材料開発
【質疑応答・名刺交換】
第3部 廃熱発電用非酸化物系熱電材料の開発と熱電モジュールの高性能化へのアプローチ
≪講座趣旨≫
種々の廃熱を直接電力として回収できる熱電発電が注目されています。しかし、熱電発電の実用化のためには、熱電素子の高性能化、モジュールの低コスト化・量産化など解決すべき課題が多く存在します。
本講演では、これらの課題の解決に向けた取り組みとして行ってきました廃熱の温度域に適した非酸化物系熱電材料の開発と積層型熱電素子および新たなモジュール製造技術の開発に関する内容を紹介します。
≪プログラム≫
1.はじめに
2.非酸化物系熱電材料に関する研究開発
2-1 Zn4Sb3の合成と熱電特性評価
2-2 CoSb3系化合物の合成と熱電特性評価
2-3 高マンガンシリサイドの合成と熱電特性評価
2-4 Mg2Siの合成と熱電特性評価
3.積層型熱電素子に関する研究開発
3-1 積層型熱電素子について
3-2 積層型熱電素子の作製と性能評価
4. 新たな製造法による熱電モジュールに関する研究開発
4-1 新たな熱電モジュール製造法について
4-2 新製造法による熱電モジュールの作製と性能評価
5. まとめと今後の展望
【質疑応答・名刺交換】
第4部 高性能熱電変換材料の開発
≪講座趣旨≫
現在、一次エネルギーの約七割が廃熱として捨てられており、この廃熱エネルギーを有効に利用することは、地球温暖化問題を含む将来の環境・エネルギー問題を解決するための重要な解決策の一つであるといえる。固体のゼーベック効果を利用した熱電発電は、産業用から民生用まで分散的に存在する廃熱エネルギーを電力に変換する究極の分散熱エネルギー有効利用技術として位置づけることができる。
本講演では、高性能熱電変換材料の開発と特性評価と題して、おもに熱伝導率低減による性能向上の観点から、いくつかの代表的な研究成果をレビューする。特にナノスケールでの構造・組織制御による熱電変換効率の向上研究に関する国内外の最新の研究動向を紹介する。
≪プログラム≫
1.イントロダクション
1-1 熱電変換とは?
1-2 熱電材料の性能指数 : 熱電材料に求められる特性
1-3 熱電変換の応用
2.さまざまな熱電材料
2-1 テルライド
2-2 高温材料
2-3 酸化物
2-4 新材料
3.ナノ構造の導入による熱電変換効率の向上研究
3-1 熱電材料開発研究とナノテクノロジー
3-2 薄膜材料
3-3 バルクナノ材料
4.ナノ構造と熱伝導率の相関
5.まとめにかえて
【質疑応答・名刺交換】