電子ペーパーの技術トレンド

電子ペーパーの視認性のキーとなるフロントプレイン(表示部)にフォーカス!今後の課題から電子書籍端末、防災・災害時のサインディスプレイ等への用途まで詳解!

電子ペーパーの技術トレンド

主催:R&D支援センター

日時:平成22年11月18日(木) 13:00〜16:30

≪講座のポイント≫
iPad vs キンドル電子書籍論争に代表されるように、近年、電子ペーパーは液晶ディスプレイと比較されることが多い。しかし、電子ペーパーの原点は、紙メディアの長所を取り入れようというところにある。紙メディアの最大の特長は、その優れた視認性にある。したがって本セミナーは、技術的にディスプレイと重なるバックプレイン(周辺部)については最小限にとどめ、電子ペーパーの視認性のキーとなるフロントプレイン(表示部)にフォーカスして進める。

 表示メディアは、一般に、?色を変化させる、?光を発する、?物質を動かす、といった化学/物理現象を利用して、コントラストを設けて画像や文字を表示する。そこで、電子ペーパーについても、まず?から?の分類に分けて表示方式を紹介する。特に?の物質を動かす方式が多いのが、電子ペーパーの特徴である。つまり、ディスプレイのように(フィルターを通して)光を見せるのではなく、(紙への印刷物と同様に)物そのものを見せている方式が多い。

 次に、電子ペーパーの課題について説明する。現在の電子ペーパーの表示方式の主流は、電気泳動方式である。しかし、電気泳動方式に対して、部分的(例えば、視認性、応答性、カラー化、メモリー性、フレキシビリティなど)に優位にある、様々な他の表示方式が存在する。これらの技術動向についても述べる。

 最後に、電子ペーパーのアプリケーションについて考察する。電子ペーパーキラーアプリケーションは、(特に屋外での)視認性とメモリー性を生かした表示メディアにあると考えるので、電子書籍以外の用途、例えば防災・災害時のサインディスプレイ等について、最近の事例を含め説明する。

≪プログラム≫
1.電子ペーパーとは?
  1.1 ハードコピーvsソフトコピー(ディスプレイ)
  1.2 電子ペーパーの定義
  1.3 電子ペーパーの特長

2.電子ペーパーの表示方式
  2.1 色の変化を利用する方式
    2.1.1 サーマルリライタブル方式
    2.1.2 エレクトロクロミック方式
  2.2 発光現象を利用する方式
    2.2.1 デュアルモード方式
  2.3 物質の運動を利用する方式
    2.3.1 マイクロカプセル電気泳動方式
    2.3.2 マイクロカップ電気泳動方式
    2.3.3 ツイストボール方式
    2.3.4 電子粉流体方式
    2.3.5 エレクトロウェッティング方式
    2.3.6 MEMS方式
    2.3.7 コレステリック液晶方式

3.電子ペーパーの課題
  3.1 視認性
  3.2 メモリー
  3.3 フレキシビリティ
  3.4 応答速度
  3.5 カラー化への対応

4.電子ペーパーの用途
  4.1 電子書籍端末
  4.2 デジタルサイネージ
  4.3 防災・災害時のサインディスプレイ
  4.4 その他

5.まとめと今後の動向