技術者のための高分子レオロジー入門講座【大阪講座】
ほとんど数式をもちいず(使うのは掛け算・割り算だけ)、レオロジーの基礎事項と測定方法をやさしく解説!さらに高分子を中心とする各分野の技術者が、レオロジーを使いこなすための必要事項を、実際の測定データにもとづいてわかりやすく説明する!
〜粘弾性の基礎/測定と評価/各分野への応用〜
主催:R&D支援センター
日時:2011年2月9日(水) 12:30〜16:30
<講座のポイント>
高分子や複合材料の成形加工において、レオロジーが関係している分野は多い。また、塗料・化粧品・食品など、材料の変形や流動が重要となる分野も多い。これらの分野の技術者がレオロジーを使って研究・開発をしようとしても、レオロジーのみかけの難しさ(まず数式、その他測定上の約束事項など経験的な部分)のため、特に初心者にはレオロジーそのものが大きな壁になっている。
本講習会では、ほとんど数式をもちいず(使うのは掛け算・割り算だけ)、レオロジーの基礎事項と測定方法をやさしく解説する。さらに高分子を中心とする各分野の技術者が、レオロジーを使いこなすための必要事項を、実際の測定データにもとづいてわかりやすく説明する。
単体高分子・高分子ブレンド・高分子コンポジットの溶融物(メルト)や固体の測定データについて、分子運動や凝集構造と粘弾性の関係をわかりやすく解説する。特に構造と粘弾性の関係については、X線CTによる三次元構造や電子顕微鏡 (TEM, SEM)、共焦点レーザースキャン顕微鏡、原子間力顕微鏡 (AFM) を駆使した、目で見るミクロ・ナノ構造と粘弾性の関係を明らかにする。ねらいは粘弾性の測定データから逆に構造を予測することである。
高分子の成形加工CAEに関しては、粘弾性データと粘度曲線・法線応力差の関係、伸長粘度とブロー成形性・発泡成形性の関係、ダイスウェルと法線応力差の関係など、レオロジーと直接関係する内容をわかりやすく述べる。
エマルション(液体中の液滴分散系)、サスペンション(液体中の固体粒子分散系)、ゲル(ゲル化過程)の粘弾性についても、実例をあげてわかりやすく解説する。以上、全て測定データにもとづいてわかりやすく説明し、技術者が「業務に使えるレオロジー」を習得できるようにする。
<プログラム>
1.粘弾性の基礎
1-1.応力とひずみ(力と応力の違い、変位・伸びとひずみの違い)
1-2.粘性・弾性・粘弾性
1-3.緩和時間とは(これがわかるとレオロジーがわかる?)
1-4.測定法の基礎(測定時の注意点、データをどうまとめるか)
1-5.時間-温度の重ね合わせとは
2.高分子メルトの粘弾性と流動性
2-1.単体高分子の粘弾性(データをどうみるか、どう使うか)
2-1-1.高分子のからみ合いと粘弾性
2-1-2 粘度と法線応力、法線応力効果とダイスウェル
2-1-3.粘弾性データから粘度曲線と法線応力差を予測する
2-1-4.伸長粘度と成形性の深い関係
2-2.高分子ブレンドの粘弾性
2-2-1.海島構造と粘弾性
2-2-2.溶融混練による分散相サイズの制御
2-2-3.粘弾性から分散相平均サイズ・界面張力を求める
2-2-4.溶融混練による共連続構造の作成法
2-2-5.共連続構造の変形と粘弾性:3次元構造観察
2-3.高分子コンポジットの粘弾性
2-3-1.ナノカーボン、セラミックス微粒子、金属微粒子の分散制御
2-3-2.単体高分子中での微粒子の分散状態と粘弾性
2-3-3.高分子ブレンド中での微粒子の分散状態と粘弾性
2-3-4.ナノカーボンのネットワーク形成と粘弾性
3.高分子固体の粘弾性
3-1.粘弾性の温度依存性から何がわかるか
3-2.粘弾性データによるブレンド状態の評価
3-3.粘弾性データによる延伸物の高次構造評価
3-4.衝撃破壊と粘弾性
4.エマルション・サスペンション・ゲルの粘弾性
4-1.エマルションと高分子ブレンド(海島構造)の深い関係
4-2.サスペンションにおける固体粒子の分散状態と粘弾性・流動挙動
4-3.ゲル化過程の粘弾性変化
4-4.粘弾性によるゲル化点の求め方とネットワーク構造
【質疑応答・名刺交換】