医薬品原薬・中間体製造におけるスケールアップとトラブル対策
いかに効率よく製造方法を確立し供給体制を整えるか、臨床試験の段階から製造段階まで各段階におけるスケールアップ手法は極めて重要なポイントを解説!
〜GMP対応の効果的なスケールアップと製造フローの確立法〜
主催:R&D支援センター
日時:2011年6月27日(月) 10:30〜16:30
<講座のポイント>
医薬品の開発はグローバル化の中で厳しい競争を強いられている。 いかに効率よく製造方法を確立し供給体制を整えるか、臨床試験の段階から製造段階まで各段階におけるスケールアップ手法は極めて重要なポイントとなる。 ラボスケールから実機へとスケールアップしていく中で効率的なデータの取得法に焦点を当てスケールダウンという視点にもスポットを当てながら問題点と解決策をGMP対応の中でいかに上手く行なうべきか、その手法をわかりやすく説明する。
<プログラム>
1.プロセス化学とは、その役割
1-1 プロセス化学の意味するもの
1-2 企業での役割と他部署との関係
2.プロセス開発の重要性と問題点
2-1 出発原料の決定
2-2 反応条件の改良:緩和な条件下での製造
2-3 溶媒回収と効率化
2-4 溶媒の選択:クラスI,II,IIIの選別法
2-5 プロセス開発の重要性:変更しなくてもよい製造フローの確立の為に
2-6 開発ステージとサンプル供給量の関係:なぜ大量サンプルが必要なのか?
3.スケールアップの基礎
3-1 スケールアップの準備と基礎知識
3-2 コルベンと反応釜の違い
3-3 ラボでの取り組み方:ラボの重要性とデータ解析
3-4 スケールアップの留意点:トラブル事故を防ぐために
4.スケールアップの問題点
4-1 スケールアップのMerits
4-2 反応工程の簡略化:操作性の改良、コスト削減の為に
4-3 反応制御と操作性の改良:反応の危険性を避ける為に
4-4 操作性のよいフローシートとは:安全性と生産性を確保する為に
5.スケールダウンの検討と留意点
5-1 スケールダウンとは
5-2 目的と手法
5-3評価の仕方
6. 改正薬事法とGMP
6-1 アウトソーシングとGMP:効率的なアウトソーシングとは
7-2 FDA-483で多い指摘とは
7-3 結晶化の問題点
7-4 濾過・乾燥工程の改良
7-5 不純物の検出と対策:不純物プロファイルとは
7-6 品質の問題:Discrepancy−分析の重要性と信頼度
8.スケールアップ事例
8-1 L-DOPAの合成
8-2 3(R)-Hydroxypyrrolidineの合成
8-3 Grignard反応
9.結晶多形
9-1 結晶多形の要因
9-2 Polymorphismの確認
9-3 疑似結晶多形とその例
9-4 結晶多形の例
9-5 Indomethacine
9-6 Cimetidine
9-7 Aspirin
9-8 Ritonavir
9-9 結晶多形に関する留意点:多形の存在と開発方針
9-10 特許の権利化
10.発熱・暴走反応
10-1 発熱反応の問題点:化学反応の理解と応用
10-2 反応熱測定法:DSC/TG, DTA/XRD, DSC/CHETAE 何が分かるのか
10-3 スケールアップ時の発熱に関する問題点と解決策:なぜ事故は起こるのか
10-4 発熱反応の例と留意点:馴染み深い反応に秘められた危険性
10-5 事故例
11.スケールアップとトラブル対策
11-1 NaHの取扱い
11-2 技術の伝承
11-3 危険予測の訓練
12.静電気対策
12-1 原因分析と対策:安易な取り組みは災害の元
12-2 静電気発生の基礎
12-3 静電気の事故例
13.反応安全性の検討:社内組織の立ち上げ
14.受託製造の課題と留意点
14-1 双方の利益の為に:いかに信頼される関係を作るか
15.プロセス化学を取り巻く環境
15-1 製薬企業のグローバル化と日本製薬企業の動き
15-2 世界経済激変の中のプロセス化学
16.まとめ
17.Q&A