実例から考える光学薄膜の評価の基礎と高品質化・高機能化

薄膜設計主体の内容ではなく、実際のトラブルを含む様々な事例を紹介しながら作製技術を主体とした講演を行う。薄膜の評価を行う上での光学・薄膜の基礎知識を学び、実例を通して光学薄膜の高品質化・高機能化につながるヒントを得よう!

実例から考える光学薄膜の評価の基礎と高品質化・高機能化

主催:R&D支援センター

日時:2011年5月27日(金) 10:00〜16:00

≪講座のポイント≫
光の反射・透過光量の増減、必要な波長の光を取り出す、偏光を制御するなどの目的だけで光学薄膜は利用されていました。現在は、この様な光学的な機能だけでなく、親水性・疎水性・伝導性・防汚性・耐摩耗性・耐熱性などの機能の付加が行われています。また、デジタルカメラ、光ピックアップ、光通信、ディスプレイ、プロジェクターなど、光の分野は大きく広がっています。これにともない様々な形態の光学部品が作製され利用されています。これらの光学部品において光学薄膜は高機能化に必須であり、その需要も分野の広がりとともに増えています。

 また、光学薄膜が単なる光学部品としてではなく、電子部品と組み合わせて用いられることや組み立て工程も従来の光学部品単独としての工程ではなくなっています。さらに、基板や部品の小型化・薄型化も進んでいます。これらのことから、従来の光学部品では起きえなかったトラブルも増えています。このため、光学薄膜はより高い光学特性、高耐久性、低応力などの高品質化・高機能化が求められています。

 本セミナーは、薄膜設計主体の内容ではなく、実際のトラブルを含む様々な事例を紹介しながら作製技術を主体とした講演を行います。そして、薄膜の評価を行う上での光学・薄膜の基礎知識からはじめて、実例を通して光学薄膜の高品質化・高機能化につながるヒントが得られるような講義を目指します。

≪プログラム≫
1.光学薄膜評価ための光学の基礎
  1-1 反射と屈折
  1-2 干渉・回折・散乱
  1-3 屈折率とその測定
2.光学薄膜の基礎
  2-1 光学薄膜の作製の基礎
  (膜形成理論、成膜条件、イオンプロセス等)
  2-2 光学薄膜の光学特性の基礎
  (単層膜の反射と透過、膜に吸収があるときの反射と透過)
3.光学薄膜を評価・作製するための理論と実例
  3-1 光学薄膜の問題点
  (分光不良、散乱(洗浄不良)、波長シフト(吸湿)、そり、剥がれなど)
  3-2 光を用いた評価方法
  3-3 電子・X線を用いた評価方法
  3-4 機械的特性の評価方法
  3-5 工程における事例と対策
  (洗浄工程:洗浄の原理、管理など)
  (成膜工程:分光不良、白濁、割れ、剥がれ、そりなど)
  (検査工程:目視検査の限界、検査員の教育など)
4.光学薄膜の高品質化・高機能化のためのヒント
  4-1 成膜プロセスからの考え方
  4-2 基板および成膜材料面からの考え方