振動の基礎とトラブルシューティング

効果的な振動・騒音対策のためのセミナー!機械の高性能化、高効率化の妨げになる異常振動現象を把握し、正常な状態に戻すための計測・調査手法を修得し、改善と対策に活かそう!

振動の基礎とトラブルシューティング

共催:R&D支援センター

日時:2011年8月19日(金) 10:30〜17:30

[講師の言葉]
可動部のある機械および設備は何らかの振動と騒音を発生します。その振動には、許容範囲内(以下)の振動や許容範囲以上の異常振動があります。最近の機械設計では、小型・軽量化、高性能、低環境負荷、低価格を設計理念とした最適設計や限界設計がされており、振動・騒音が発生しやすくなっている反面、音・振動の評価が厳しく、かつ多義に渡っており、振動・騒音のコントロールが要求されています。

 本講習では、各種振動の基礎理論の解説、並びに振動の計測・調査手法の解説、異常振動現象の見極め方の解説、トラブルシューティングの方法及び対策指針の立案、さらに対策案作成に向けての技術知識を解説します。

[プログラム]
Ⅰ. 現象の見方とトラブルシューティング
  1.振動現象とは

  2.振動はどうして発生するのか

    ・各種復元力と固有振動数

  3.振動の設計とトラブルシューティングは違う

Ⅱ. 振動の表現
  1.波動の表現

    a.調和振動と振動の重ね合わせ

     ・単振動 (三角関数による表現、回転ベクトルによる表現、複素ベクトルによる表現)

    b.時間領域での表現

     ・振動変位、速度、加速度の物理単位表示とデシベル表示

     ・実効値と振動シビアリティ

    c.直交関数を用いた周波数領域での表現 

     ・Fouriere 変換

     ・逆Fouriere 変換

    d.相平面表示(Phase Trajectory)

Ⅲ. 振動の分析
  1.キャンベル線図

  2.Fouriereスペクトル、パワースペクトルと衝撃スペクトル

  3.伝達関数(Compliance, Mobility, Accelerance, Dynamic stiffness, Mechnical impedance, Dynamic Mass)

  4.自己相関、相互相関とコヒーレンス

  5.ボード線図とナイキスト線図

Ⅳ. 振動の分類
  1.自由振動

  2.強制振動

  3.過渡振動   

  5.係数励振振動

  6.不規則振動

Ⅴ. 一自由度系の振動
  1.不減衰自由振動と固有振動数

  2.減衰自由振動と減衰固有振動数

  3.減衰のある1自由度強制振動

  4.共振(不減衰振動系の共振、減衰振動系の共振)

  5.連成振動と非連成振動

  6.いろいろな減衰の種類

    a.クーロン摩擦減衰

    b.粘性減衰

    c.速度2乗減衰

    d.内部減衰

    e.構造減衰

Ⅵ. 回転軸の危険速度と振動
  1.エネルギー法

  2.回転軸とディスクの組み合わせ構造の固有振動数

  3.回転体の釣り合い

Ⅶ. 振動の計測とトラブルシューティング
  1.異常振動の調査・計測をするに当たっての心得

    a.異常現象の把握

    b.何を知りたくて計測するのか。

    c.目的のない測定からは何も得られない。何も解決できない。

    d.計測するデータは少なければ、少ないほどよい。

  2.計測機器の選定:計測振動の種類 振動の大きさ 周波数範囲 

  3.FFT分析器(定差型)と1/nオクターブ型(定比型)分析器 Ⅷ. 振動対策事例