プラスチック成形過程での残留応力発生のメカニズムと変形・強度の長期予測法と信頼性評価法【大阪開催】

プラスチックの硬化収縮並びに熱粘弾性挙動に起因する残留応力の発生メカニズムと防止法について、事例をふまえて説明!

プラスチック成形過程での残留応力発生のメカニズムと変形・強度の長期予測法と信頼性評価法

主催:R&D支援センター

日時:2012年3月8日(木) 12:30〜16:30

【講座のポイント】
 軽量化と成形の容易性から、プラスチック成形品の使用が進み、高信頼性が要求される箇所にも適用が拡大しています。一方で、成形時の不良や成形品の経時的な強度低下・変形が予想もしない事故を引き起こす危険性もあり、成形不良の要因を把握し素材の特性を考慮した強度・変形の予測手法の確立が強く求められています。

 ここでは、プラスチックの硬化収縮並びに熱粘弾性挙動に起因する残留応力の発生メカニズムと防止法について、説明します。プラスチックは、硬化反応に伴う硬化収縮や冷却過程における熱粘弾性挙動の大きな2つの要因で残留応力が生じます。硬化収縮及び熱粘弾性挙動による残留応力の発生メカニズムについて、粘弾性モデルを用いて定性的に説明すると共に、線形粘弾性理論を用いた解析手法並びに実験解析法を解説します。また、粘弾性挙動に基づくプラスチックの変形や強度の長期予測法並びに長期信頼性評価法について事例を基に解説します。

【受講対象者・レベル】
 プラスチックを扱う若手並びに熟練技術者・研究者を対象とするが、特に時別な専門知識を必要としない。また、プラスチックの不良は素材の粘弾性特性に大きく依存するが、この特性を基に対策を検討されていない現状にある。ここでは、不良対策に困っている人たちを対象とする。

【修得できる知識】
 ・プラスチック特有の粘弾性挙動とその取扱い

 ・残留応力発生メカニズムの概念

 ・残留応力の解析手法及び実験解析法 → 事例を基に解説

【プログラム】
1.残留応力発生要因
  1-1 残留応力発生要因の分類
  1-2 硬化収縮と力学モデル
  1-3 粘弾性挙動と力学モデル
  1-4 硬化収縮による残留応力発生メカニズム
2.熱粘弾性挙動による残留応力発生メカニズム

3.クリープ挙動と緩和現象
  3-1 クリープ挙動とクリープコンプライアンス
  3-2 緩和現象と緩和弾性係数
4.線形粘弾性理論
  4-1 線形粘弾性理論の基礎
  4-2 線形粘弾性理論に基づく残留応力の基礎式
  4-3 数値解析法と実験解析法
5.時間−温度換算則
  5-1 時間−温度換算則の基礎概念
  5-2 時間−温度換算則の成立と確認法
  5-3 時間−温度移動因子(アーレニュウス型、WLF型)
6.成形品の経時的強度低下・変形の長期予測法
  6-1 変形の長期予測
  6-2 残留応力開放に伴う変形の長期予測
  6-3 強度低下の長期予測

【質疑応答・名刺交換・個別相談】