界面活性剤の特性・作用機構と上手な使い方
界面活性剤水溶液並びに濃厚水溶液の物理化学的性質の習得!水溶性高分子/界面活性剤系の相互作用!
主催:R&D支援センター
日時:2012年9月3日(月) 10:30〜16:30
【講座のポイント】
界面活性剤は化粧品分野をはじめ、食品、医薬品、農薬、化学製品、エネルギー(燃料)関連分野での重要な素材の一と言って過言でない。これは界面活性剤が目的とする製剤中に少量添加するだけで所期の機能を得られるためである。そのためには、任意の界面活性剤を闇雲に添加するのでなくて、界面活性剤の化学構造に立脚した(親水性/疎水性)比を制御する必要がある。
本講義では、界面活性剤水溶液ならびに界面活性剤高濃度溶液の物理化学的性質について、基礎から応用まで、最新の知見をふまえて解説する。特に、界面活性剤および混合界面活性剤の最適化について、界面活性剤の化学構造に立脚した(親水性/疎水性)比の評価法ならびに制御法の基礎な取り扱い方を重点的に解説する。また、水溶性高分子/界面活性剤系総合作用についても講義する。最後に、実践的な視点から演習問題、いくつかの事例研究による界面活性剤の機能創製のための「ノウハウ」の一端を紹介し、界面活性剤の上手な使用法について理解を深めてもらう。
【受講対象者・レベル】
化粧品、医薬品、口腔、食品、化学品関連分野で製品開発、新剤型開発並びに新機能創製を目指している技術者、研究者
【プログラム】
1.界面活性剤の開発推移
2.界面活性剤水溶液の物理化学的性質
2-1 クラフト点
2-2 界面活性剤水溶液中のミセル形成
2-3 臨界ミセル濃度(cmc)に対する作用因子
2-4 界面活性剤の構造要因
2-5 界面活性剤濃厚溶液の高次会合構造(液晶)
3.界面活性剤の機能制御
3-1 界面活性剤の構造要因とその性質・作用
3-2 HLB方式による界面活性剤の選択
3-3 混合界面活性剤のHLB値
3-4 混合被乳化油性基剤に対する乳化剤の最適化
3-5 Davies方式によるHLB値の算定
3-6 有機概念図法による界面活性剤の(親水性/疎水性)比の評価
4.界面活性剤による機能の創製
4-1 アニオンーカチオン混合界面活性剤の表面張力低下作用
4-2 洗浄剤ー混合界面活性剤によるアルカリビルダーの塩入作用
4-3 混合界面活性剤によるタンパク変性抑制効果
4-4 棒状ミセルによる「流れ」の制御−配管抵抗減少剤
4-5 特殊な分子集合状態の活用事例ーベシクル
5.水溶性高分子/界面活性剤相互作用を利用した機能の創製
5-1 曇点上昇効果
5-2 表面張力低下作用
5-3 可溶化能の向上
5-4 乳化剤としての機能向上
5-5 粘度上昇効果
【質疑応答・名刺交換】