インクジェットの実務

インクジェットの安定吐出技術について経験豊富な講師が原理的な説明をするとともに具体的な課題、対策についても詳説する!

インクジェットの実務

〜インクジェット安定吐出に向けた中級編〜

主催:R&D支援センター

日時:2013年1月30日(水) 10:30〜16:30

【習得できる知識】
圧電素子のまとめ
●必要なインクパラメータ
●インク、ヘッドのパラメータ変動とそれによる特性変化
●速度と吐出量の関係
●速度と着弾精度
●測定方法および評価方法
●ばらつきの要因と対策

【受講対象】
●インクジェットに関わっている中堅技術者
●ヘッドの開発者
●装置の開発者
●インクの開発者
●インクジェットの制御が知りたいソフト、ハードの開発者
●インクジェットについて個々の課題に取り組んでいるが、全体的、体系的に身につけたい方

※予備知識  インクジェットに関する基礎的な知識

【講座趣旨】
 インクジェットは、実験室でごく容易に吐出できる反面、実用的に安定して長期間運転し続けることは容易ではない。
 本講座では、インクジェットの安定吐出技術について、講師の体験と理論に基づき、原理的な説明をするとともに具体的な課題、対策についても詳説する。

【プログラム】
1.本講習の目的
2.コントラスト感度関数(CSF)
  2.1 人間の目は大きければよく見えるのか
  2.2 民生用インクジェットと産業用インクジェット:不均一のちがい

3.ドット不均一の例
  3-1.記録ドット面積の不均一
  3-2.記録ドット形状の不均一
  3-3.記録ドット濃度の不均一
  3-4.着弾精度の不均一

4.不均一の原因概要
  4-1.ノズル方向ばらつき
    4-1-1.(狭義の)チャネルばらつき
    4-1-2.ヘッドばらつき
  4-2.走査方向ばらつき

5.圧電定数d31とd15のちがいおよびヘッド構造との関係
  5-1.分極と圧電定数
  5-2.インクジェットの種類

6.インクジェットヘッドのモデル化
  6-1.集中定数モデルは役に立つか
  6-2.「押し打ち」の式
  6-3.薄膜PZT

7.解析モデルの種類
  7-1.集中定数モデル
  7-2.圧力波モデル
  7.3.CFD

8.例題ヘッドの具体的なパラメータ変動と特性変化
  8-1.ノズル長さ、ノズル径、供給路長さ、供給路断面積のばらつきと特性変化
  8-2.圧力室幅、圧力室長さ、PZT厚さ、振動版厚さのばらつき
  8-3.インク粘度、インク密度、インク音速の変動
  8-4.30/50μmの気泡の存在
  8-5.圧電定数、駆動電圧のばらつき

9.速度変動に効く要因は何か(まとめ)
  9-1.気泡
  9-2.ノズル面積
  9-3.圧力室幅

10.吐出量変動に効く要因は何か(まとめ)
  10-1.圧力室幅
  10-2.気泡
  10-3.ピエゾ厚さ

11.モデル解析から判る事
  11-1.変動に大きく影響する要因
  11-2.速度と吐出量の関係

12.集中定数モデルの展開
  12-1.集中定数モデルの展開例
    12-1-1.駆動波形
    12-1-2.応答周波数
    12-1-3.クロストーク
  12.2集中定数モデルの展開具体例(引打ち)

13.集中定数モデルの注意点
  13-1.大サイズヘッドの誤差増大
  13-2.モデル簡略化による実際との乖離
  13-3.吐出速度と飛翔速度のちがい

14.ヘッド、システムから見たインクの重要特性
  14-1.パラメータ
    14-1-1.粘度、表面張力、その他抑えるべきパラメータ
  14-2.ヘッド内での挙動
    14-2-1.接液性、界面凝集など

15.速度と吐出量
  15-1.速度と吐出量の関係
    15-1-1.速度 
    15-1-2.吐出量
    15-1-3.固有振動周期と吐出量の関係
    15-1-4.メニスカス位置と吐出量の関係

16.最適吐出量と最適速度
  16-1.最適吐出量はどのように決めるか
  16-2.最適飛翔速度はどのように決めるか

17.速度変動と着弾精度
  17-1.インク飛翔速度変動と着弾精度
  17-2.走査速度変動と着弾精度
  17-3.プリントギャップ変動と着弾精度

18.インクジェットの測定法および評価
  18-1.測定法
     18-1-1.速度
     18-1-2.吐出量
  18-2.評価法
    18.2.1.接液試験
      18-2-1-1.インク
      18-2-1-2.流路部材
    18-2-2.吐出(印字)試験
      18-2-2-1.周波数特性の見方
      18-2-2-2.ウィンドマージンとは何か

19.ノズル毎のばらつきに対する対策
   19-1.アクチュエータ、流路のばらつき低減方法
   19-2.ノズルのばらつき低減方法

20.経時的ばらつきの要因と具体的対策
  20-1.気泡
    20-1-1.発生させない
    20-1-2.ためない
    20-1-3.取り除く
  20-2.ノズル面汚れ
    20-2-1.クリーニング方法
  20-3.インク蒸発、界面凝集
    20-3-1.放置時間に対する各種メンテ機構
  20-4.昇温
    20-4-1.パラメータ制御の例
      20-4-1-1.粘度変化に対する制御
      20-4-1-2.各種階調制御
  20-5.残留振動
  20-6.クロストーク

21.ヘッドインク以外の要因と具体的対策
  21-1.環境
  21-2.装置
    21-2-1.負圧のコントロール
      21-2-1-1.水頭差
      21-2-1-2.キヤノン カートリッジの特徴
      21-2-1-3.エプソン カートリッジの特徴
    21-2-2.静電界の影響と対策例

22.その他の不均一対策
  22-1.マルチパス
    22-1-1.長所(高画質)
    22-1-2.短所(印刷速度低下)
  22-2.高速マルチパス
  22-3.ノズル個別補正(DPN)
    22-3-1.長所と問題点
  22-4.ヘッドシェイディング補正

23.おわりに
(名刺交換・個別相談)