ナノ粒子の有害性、リスク評価と曝露対策、規制動向

ナノ粒子は、有害??無害?

ナノ粒子の有害性、リスク評価と曝露対策、規制動向

講師:JFEテクノリサーチ(株) 技術情報事業部 客員研究員 大塚 研一 氏

日時:平成21年9月15日(火) 12:30〜16:30

≪講座趣旨≫
カーボンナノチューブを典型として、ナノ粒子の有害性に関する研究結果が喧伝され、ナノテクノロジーへの一般の不安が広がっている。本講演はそういった動きに対してどう対処したらよいか、について基本的な知識、考え方を提供するものである。

ナノ粒子のリスク評価の考え方、工業生産されているナノ粒子の有害性を調査するための内外のin vivo、in vitro試験の研究結果、曝露研究例、対策・規制の動向等を紹介する。

最近、多層カーボンナノチューブの毒性について注目を集めた研究が発表された。それは、実際にはどのような実験に基いているかを詳細に説明する。その他、最近の研究動向を、カーボンナノチューブ、二酸化チタンを中心に紹介する。

曝露対策については、米国のNIOSHが先行していたが、最近、英国、ドイツでガイドラインが発表された。我が国では、経済産業省の委託調査によるガイドライン、最近、厚生労働省から出された通達、環境省ガイドラインがある。これらについて、比較しながら紹介する。これらを考慮し、具体的な対策について、それぞれのナノ粒子の特性に対応して考察する。ナノ粒子用の保護具の現状についても解説する。

最後に、ISOやOECDにおける動向、各国の規制の状況について紹介する。

≪プログラム≫
1.ナノテクノロジーとは/そのベネフィット

2.ナノテクノロジーの社会受容/何故ナノ粒子か

3.ナノ粒子のリスク評価とは

4. ナノ粒子の毒性評価研究の動向

  4.1 ナノ粒子の毒性評価法
    4.1.1 ナノ粒子のキャラクタリゼーション
    4.1.2 ナノ粒子の毒性評価法
  4.2 ナノ粒子の毒性評価研究の現状
    4.2.1 フラーレン
    4.2.2 カーボンナノチューブ
    4.2.3 酸化チタン
    4.2.4 酸化亜鉛
    4.2.5 金属ナノ粒子
    4.2.6 その他ナノ粒子
  4.3 まとめ

5.ナノ粒子の曝露対策の現状

  5.1 ナノ粒子のリスク評価・リスク管理のフロー
  5.2 ナノ粒子の研究・製造現場における管理の現状
  5.3 ナノ粒子の暴露評価の現状
 5.4 ナノ粒子の曝露低減対策・技術の現状
  5.5 ナノ粒子の管理手法(ベストプラクティス)の開発の動向
  5.6 ナノ粒子取扱いガイドラインの提案

6.ナノ材料の規制の状況と国際的な動き

  6.1 各国の状況
  6.2 我が国の状況
  6.3 国際的な動き
    6.3.1 OECDの取り組みと我が国の貢献
    6.3.2 ISOの活動

7.まとめ - ナノテクノロジーのベネフィットとリスク -

 
【質疑応答・名刺交換】