新しいナノ粒子の分散凝集転移機構に基づく透明高分子ハイブリッドの

新しいナノ粒子の分散凝集転移機構に基づく透明高分子ハイブリッドの調製

講師:日本大学 理工学部 教授 兼 理工学研究所長 博士(工学) 澤口 孝志 先生

日時:平成21年9月11日(金) 10:00〜14:00


≪講座趣旨≫
最近、量子サイズ効果などの光機能を有するナノ粒子が、粉末あるいはオルガノゾルとして市販されるようになってきたこともあり、これらのナノ粒子をポリマーに分散させ、屈折率、複屈折率など光学特性を高めた透明高分子ナノコンポジット (ナノハイブリッド)材料の創製技術の開発が盛んに行われている。

 本講演では、ポリマーにナノ一次粒子を二次凝集させず、ランダムに分散させるために、ポリマー分子とナノ粒子の界面が引き起こす分散-絡み合い凝集という極めてシンプルな新しいナノサイエンスを着想し、世界に先駆けて得たクリアな最新の実験結果(PMMA/SiO2)に基づいて、 高分子へのナノ粒子分散安定化のナノテクノロジー開発に向けたトピックスを紹介する。

≪プログラム≫
1.高分子ナノハイブリッドの調製
 1-1 ナノ粒子の分散-凝集転移:従来の理論
 1-2 ナノ粒子とマトリックス高分子
 1-3 ハイブリッドの調製方法と分散-凝集特性の評価
2.サスペンションおよびフィルム系における分散-絡み合い凝集特性
 2-1 分散 -凝集転移に及ぼすポリマー濃度の影響
 2-2 SiO2ゾルの濃度および表面化学修飾の影響
 2-3 急激な凝集が起こる臨界ポリマー濃度C*のポリマーの分子量依存性
3.サスペンション系における絡み合い凝集の理論解析
4.ポリマー分子の絡み合い凝集の理論解析
 4-1 ポリマー分子同士の細密充填接触臨界濃度C0*
 4-2 分散-絡み合い凝集:概念図
 4-3 単分散ポリマーにおける分散-絡み合い凝集特性
5.メルト系における分散凝集-絡み合い凝集特性
6.ポリマーとナノ粒子の相互作用