高分子材料の熱分析/粘弾性測定とデータ解析
DSC/TGA/TMAによる高分子熱分析のポイントから、高分子レオロジーの基礎・測定方法、応用まで分かりやすく解説!
主催:R&D支援センター
日時:平成22年8月30日(月) 10:00〜16:30
第1部 高分子材料の熱分析
≪講座趣旨≫
熱分析は高分子材料が工業材料として用いられるとともに急速に普及しました。高分子製品の製造工程には必ず加熱・冷却過程を伴うため熱走査を行う熱分析との関わりが密接であったこと、高分子は耐熱性(熱変形温度、熱分解性、熱酸化分解性)が悪く実用耐熱性を調べる手段として熱分析が重要であったことなどがその理由として挙げられます。
近年の装置の高感度化や高分解能化、温度変調熱分析の進歩などにより、熱分析により得られる情報の質や量は向上しています。今回は、高分子材料について熱分析装置で得られる測定事例について紹介致します。
≪プログラム≫
1.高分子材料のDSC測定
1-1 DSCの原理と装置
1-2 測定事例:下記のトピックスを含む測定データ事例を御説明します(順不同)。
1-2-1 熱硬化性樹脂の評価
1-2-2 熱可塑性樹脂の評価
1-2-3 ガラス転移、非晶質度
1-2-4 熱容量測定
1-2-5 圧力DSC
1-2-6 フォトDSC
1-2-7 温度変調DSC
2.高分子材料のTGA測定
2-1 TGA測定の原理と装置
2-2 測定事例:下記のトピックスを含む測定データ事例を御説明します(順不同)。
2-2-1 熱安定性評価
2-2-2 酸化安定性評価
2-2-3 成分定量
2-2-4 複合熱分析:TGA-MS、TGA-FTIR
2-2-5 速度制御TGA
2-2-6 反応速度論解析
3.高分子材料のTMA測定
3-1 TMA測定の原理と装置
3-2 測定事例:下記のトピックスを含む測定データ事例を御説明します。(順不同)
3-2-1 ガラス転移、線膨張係数
3-2-2 軟化点評価
3-2-3 熱収縮温度評価
3-2-4 温度変調TMA
第2部 高分子粘弾性の基礎・測定法とデータ解析
≪講座趣旨≫
高分子粘弾性の現象論、メカニズムを分かりやすく説明します。また粘弾性の測定方法や解析方法、さらには応用が難しいとされる複合材料について実例を交えて解説します。
≪プログラム≫
1.粘弾性の基礎
1-1 レオロジーとは?
1-2 応力とひずみの定義
1-3 変形様式(変形モードと力学試験)
2.静的粘弾性
2-1 応力-ひずみ挙動
2-2 材料の力学評価
2-3 ゴム弾性
3.動的粘弾性
3-1 複素弾性率、貯蔵弾性率、損失弾性率
3-2 動的粘弾性スペクトル
3-3 温度分散と周波数分散
3-4 緩和時間と観測時間
3-5 動的粘弾性測定・応力緩和測定
4.粘弾性データの見方と解析
4-1 静的弾性率と動的弾性率
4-2 無定形高分子の粘弾性
4-3 結晶性高分子の粘弾性
4-4 高分子粘弾性のまとめ
5.応用〜複合材料と粘弾性〜
5-1 ポリマーブレンドの基礎概念
5-2 相溶性・非相溶性と動的粘弾性
5-3 将来展望(ナノコンポジットなど)
【質疑応答・名刺交換】