高分子成形加工における結晶化と高次構造制御

結晶化の評価、結晶化速度の概念まで、できるだけ数式、化学式等は用いず平易に高分子材料の特徴を詳解する!!

高分子成形加工における結晶化と高次構造制御

〜結晶化度、結晶化速度制御に向けた基礎知識〜

主催:R&D支援センター

日時:平成22年9月2日(木) 10:30〜16:30

≪講座趣旨≫
私たちの身の回りで用いられるポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等は結晶性の高分子材料です。すなわち成形加工における結晶化の制御が、その物性に著しい影響を及ぼします。実際、射出成形、押出成形等のプロセスでの結晶化挙動を制御することは容易ではありません。

 本講では、結晶性高分子の基礎から始め、実際の結晶化の評価、また結晶化速度の概念まで、できるだけ数式、化学式等は用いずに、高分子材料の特徴をわかりやすく、イメージしやすく理解していただきたいと思います。これまで高分子化学について直接的には学んでこられなかった機械、電気など異分野を専門としてきた方にも配慮した内容構成にしています。

≪プログラム≫
0.結晶性高分子材料の基礎
  0-1 高分子とは
  0-2 ガラス転移とは
  0-3 熱可塑性高分子・熱硬化性高分子
  0-4 各種高分子材料:ポリオレフィン
  0-5 各種高分子材料:ポリエステル、ポリアミド、他

1.高分子材料の構造形成
  1-1 高分子の分類 1次、2次、3次構造
  1-2 高分子鎖の運動性:ガラス転移と結晶化
  1-3 溶融状態からの固体構造形成
  1-4 等方構造と異方構造の形成
  1-5 成形加工における結晶構造と非晶構造の形成
  1-6 高分子結晶・非晶構造の定量的評価:分子配向

2.高分子結晶・非晶構造の定量的評価
  2-1 分子配向
  2-2 結晶化度
  2-3 結晶配向

3.成形加工における分子配向と結晶化
  3-1 分子配向
  3-2 屈折率と複屈折
  3-4 分子配向と結晶化
  3-5 配向誘起結晶化

4.成形加工における高次構造制御〜具体的なプロセスへの適用と解析〜
  4-1 高次構造制御と材料物性(結晶化速度・結晶化度)
  4-2 高次構造制御と成形加工条件
  4-3 高次構造と機械物性
  4-4 成形加工プロセスの理論解析

5.実際の成形加工と高分子結晶化
  5-1 食品包装用フィルム:ポリエチレン、ポリプロピレン
  5-2 ペットボトル

6.高分子の熱接合における構造形成と結晶化
7.繊維の溶融紡糸における構造形成と結晶化