LEDの発熱対策と信頼性設計及び熱抵抗評価による実装不良解析
LEDの寿命と信頼性の現状及び、LEDでは無視できない熱の問題を徹底解説!
LEDの発熱対策と信頼性設計及び熱抵抗評価による実装不良解析
主催:R&D支援センター
日時:平成22年10月28日(木) 10:30〜16:30
≪講座趣旨≫
LEDは次期の省エネルギー光源として期待されています。しかし固有で有限の寿命をもつLEDでは、信頼性評価やシステムの信頼性設計の考え方が従来のシリコンデバイスとは大きく異なる点に注意が必要です。さらに、高光束パワーLEDでは投入電力のうち多くの部分が発熱の原因となるため、適切な放熱対策を怠ると、性能の低下はもとより寿命・信頼性の低下に直結します。
本セミナーではまず、LEDの信頼性の特徴を浮き彫りにし、各所で行われているLEDの信頼性試験を概観したあと、LED寿命評価に関する標準化の動き、LEDの信頼性試験及びLEDシステムの信頼性設計のポイントについて解説します。とくに寿命に関しては統計的データが信頼性設計に重要であることを説明します。
つぎにLEDの諸特性に及ぼす温度の影響を述べ、熱管理の基本となる接合温度の推定方法を詳しく説明したあと、熱抵抗の評価が放熱設計検証ツールとして、またLEDの実装不良の検出に有効な手段となることを解説します。
≪受講レベル≫
新しい光源であるLEDを使用した表示装置や照明器具の設計に携わる方で信頼性のポイントを学びたいという方を対象にします。LEDの電気的特性等、その使用にあたってのスペックや規格が理解できる知識が必要です。
信頼性が初めての人や、半導体はもとよりLEDを扱うことに慣れていない人にもわかりやすいようにご説明したいと思います。
≪プログラム≫
1.LEDの信頼性の特徴
1-1 半導体デバイスの信頼性とは何か<信頼性の2つの側面>
1-2 故障率のバスタブカーブにみるLED信頼性の特徴
1-3 LEDで想定される故障モードと故障メカニズム
1-4 LEDの信頼性への取組み<シリコンICやLSIとの基本的な違い>
2.メーカ、研究機関のデータから
2-1 各社のLED信頼性試験データと器具設計者向けツール
2-2 寿命試験方法と寿命予測
2-3 市販高光束LEDの寿命データとLM-80試験報告例
2-4 報告に見られる寿命の活性化エネルギーの分析と比較
3.LED寿命評価に関する標準化の動き
3-1 ASSIST RECOMMENDATION の現状
3-2 LEDダウンライト試験報告例
3-3 IES規格 LM-80の紹介と分析
3-4 LED照明器具の"Energy Star"適合基準
4.偶発故障の故障率
4-1 偶発故障で決まる故障率の推定
4-2 信頼水準と期待故障数及び試験に必要な個数
5.マルチLEDシステムの信頼性設計
5-1 マルチLEDシステムに要求される特性
5-2 交通信号灯をモデルとしたシミュレーション
5-3 加速寿命試験による故障率予測とデバイスアワーの壁
6.磨耗故障による故障率
6-1 LED寿命評価のポイント<なぜ分布データとしての統計的調査が必要か>
6-2 LED寿命に至る前に急増する故障率
6-3 現状よりもさらに大幅な寿命改善を必要とする理由
6-4 長寿命LEDの寿命評価の難しさとその打開策
6-5 温度加速試験が成り立つための条件と温度加速試験の失敗例
7.LEDの発熱と熱抵抗評価
7-1 LED発熱の起源<LEDからの発熱は従来光源と比べてどこが異質か>
7-2 LEDの性能と信頼性がいかに温度に敏感に影響されるか
7-3 接合温度の推定と熱抵抗測定法
7-4 VFの温度係数(K Factor)の理論的背景とGaN系での留意点
7-5 Heating Curve とその解析
7-6 過渡熱抵抗のLED実装不良検出への応用