高分子絶縁材料の高熱伝導化に向けた設計・測定・成形加工技術

高熱伝導性と電気絶縁性の双方向上!絶縁性や良好な成形加工性と物性のバランスを具備した熱伝導材料の設計!絶縁系の熱伝導フィラーの種類,粒度,粒形,粒度構成等の組み合わせについて具体的に説明!熱伝導材料の開発のトレンド!!

高分子絶縁材料の高熱伝導化に向けた設計・測定・成形加工技術

主催:R&D支援センター

日時:平成22年11月25日(木) 10:00〜17:10

第?部 有機高分子材料における絶縁的性質の正しい考え方と測定技術
【講座のポイント】
 初めに、絶縁体(誘電体)の主要な性質である絶縁性について、基礎的事項を専門外の人にも分かり易く平易に講義します。つぎに、その基礎的理解を踏まえて、有機高分子絶縁材料を中心に、絶縁的性質の正しい考え方を、さらに詳しく述べます。最後に、実用上最も大切なさまざまな絶縁的性質を如何に正しく測るかということに焦点を当てて、測定技術を解説します。

【プログラム】
1.誘電体(絶縁体)とは?
  1.1 誘電体の重要性

  1.2 誘電体(絶縁体)のエネルギー構造

2.有機高分子の絶縁性と導電性
  2.1 電気絶縁材料としての有機高分子

  2.2 電気伝導の基礎理論

  2.3 有機高分子の導電性

  2.4 絶縁破壊とその理論

3.導電性、絶縁性の測定技術
  3.1 導電率

  3.2 絶縁破壊電界

  3.3 空間電荷

【質疑応答・名刺交換・個別相談】

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第?部 絶縁系熱伝導性材料設計におけるフィラー選定と最新の話題
【講座のポイント】
 絶縁系でありながら2〜最大18W/m・Kの高熱伝導率を有する成形材料に用いるフィラー型熱伝導構造は様々な樹脂種に応用できる。このフィラーの設計思想とその実際について,熱可塑系の実用事例,絶縁系熱伝導材料を使う際の設計ポイントを始め,封止・接着用液状エポキシ樹脂で最大7.3W/m・Kの熱伝導率を有する材料〈リコ・ジーマ・イナス〉の特性を中心に紹介する。

【受講対象者レベル】
モーター,LED,インバーター,電源,トランス,リアクトル等の放熱対策に悩む設計者,開発者,生産技術者

【プログラム】
1.酸化物系フィラーによるバインダシステムの種類
2.各種バインダシステムにおける材料物性の概要
3.絶縁系熱伝導性材料の設計思想
4.フィラー選定と開発のポイント
5.粒度構成のタイプ(その1)
6.粒度構成のタイプ(その2)
7.粒度形状のタイプ
8.熱可塑タイプ
  8-1 実用事例

  8-2 放熱効果

9.各種バインダシステムの成形条件例
10.熱硬化液状タイプ
  10-1 材料の概要

  10-2 2液型の使用方法

  10-3 1液型の使用方法

  10-4 物性の特徴

  10-5 成形粘度

  10-6 接着強さ

  10-7 温度別可使時間

  10-8 耐熱的信頼性

11.熱伝導材料開発の方向性に対する一考察
【質疑応答・名刺交換・個別相談】

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第?部 ポリマーナノコンポジット技術による高熱伝導・電気絶縁性の向上
【講座のポイント】
 高熱伝導性と電気絶縁性の双方向上は相反する特性なため困難であるが、様々な分野で要求度が高い。その改善策としてポリマーナノコンポジット技術の適用を検討しており、その開発事例を紹介致します。

【受講対象者レベル】
 初心者向け、高熱伝導性・電気絶縁材料の開発者、ナノコンポジット絶縁材料の開発者、など。

【プログラム】
1.ポリマーナノコンポジットとは? 〜ポリマーと無機ナノ粒子〜
2.ポリマーナノコンポジット技術で何が良くなる?  〜各種電気絶縁特性〜
3.ポリマーナノコンポジットはどうやって作る? 〜直接ナノ粒子分散法〜
  ポリマー:エポキシ樹脂

  フィラー:アルミナ、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミ、など

4.電気絶縁特性は向上する? 〜絶縁耐力、耐コロナ性、耐トリー性など〜
5.熱伝導性は向上する? 〜熱伝導パスの有効形成〜
6.高熱伝導性と電気絶縁性の双方向上は可能か?
【質疑応答・名刺交換・個別相談】

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第?部 高熱伝導液晶高分子材料の設計と絶縁性/薄肉流動性を活かした応用展開
【講座のポイント】
 種々の絶縁・熱伝導性を有する熱可塑性高分子材料が提案されていますが、射出成形材料分野では成形加工性の低下、重量増加といった現実的な問題が用途展開の妨げとなっています。熱伝導材料としての液晶高分子の利点を整理し、絶縁性と良好な成形加工性(薄肉流動性)を兼ね備えた熱伝導材料の設計とその応用展開にあたっての切り口・可能性について解説します。

【受講対象者レベル】
樹脂成形製品の設計に携われる方

【プログラム】
1.液晶高分子
  1-1 液晶高分子とは

  1-2 液晶高分子の分類、歴史、市場動向

  1-3 液晶高分子の特長

2.液晶高分子を用いた熱伝導材料の設計
  2-1 各種材料の熱伝導性

  2-2 複合材料の熱伝導性

  2-3 液晶高分子の利点

  2-4 熱伝導液晶高分子の特長

     熱伝導性、成形加工性、耐熱性、機械物性

3.放熱アプリケーション
  3-1 熱伝導成形材料の活用切り口

  3-2 応用例

  3-3 部材の熱伝導率と放熱効果

  3-4 熱伝導液晶高分子材料の活用メリット

【質疑応答・名刺交換・個別相談】