プラスチックの粘弾性挙動の基礎および変形・強度の長期予測と信頼性評価

粘弾性挙動の力学的な表現、粘弾性挙動に起因する残留応力の発生機構、粘弾性挙動に成立する時間と温度の換算則を解説!

プラスチックの粘弾性挙動の基礎および変形・強度の長期予測と信頼性評価

主催:R&D支援センター

日時:2011年2月25日(金) 13:00〜16:30

【受講対象】
 ・プラスチック製品の設計担当者

 ・プラスチック製品の品質保証担当者

 ・プラスチック関連の技術開発者

【修得知識】
 ・プラスチックの成形不良対策、強度、変形の力学的取扱いと長期予測法の基礎が習得できる

【講座のポイント】
 プラスチック素材は粘弾性という、弾性的な性質と粘性的な性質が混在し、室温はもとより高温度において力や変形が時間並びに温度に伴って変化する複雑な振る舞いをします。この粘弾性挙動は、同じ素材であってもロットや製造日等によっても異なり、これが成形不良を引き起こす要因ともなります。また、プラスチックの成形時に生ずる残留応力や残留ひずみは、このプラスチックの粘弾性挙動によって生じる場合が多く、且つこれらの残留応力・ひずみは常に時間並びに温度に伴って変化し、使用中に不具合を生じさせる恐れがあります。従って、プラスチックに作用する力に伴う変形を求めたり、逆に変形を与えた時に生ずる力を求める場合は、この粘弾性特性を考慮した取扱が必要になります。

 ここでは、プラスチックの粘弾性挙動の解釈とその応用について平易に説明します。粘弾性挙動の力学的な表現、粘弾性挙動に起因する残留応力の発生機構、粘弾性挙動に成立する時間と温度の換算則について説明します。そして、この時間−温度換算則を基礎として、プラスチック成形品の経時的な強度低下や変形の長期予測並びに信頼評価を行う手法について事例を基に説明します。

【プログラム】
Ⅰ.線形粘弾性理論   
  1.応力とひずみ

  2.粘弾性挙動と力学モデル

  ・マックスウエルモデル

  ・ホイクトモデル3.応力‐ひずみ関係式

  ・構成方程式としの誘導方法

Ⅱ.クリープ挙動と緩和現象
  1.クリープ挙動とクリープコンプライアンス

  2.緩和現象と緩和弾性係数

Ⅲ.時間−温度換算則
  1.時間−温度換算則の基礎概念

  2.時間−温度換算則の成立と確認法

  3.時間−温度移動因子(アーレニュウス型、WLF型)

Ⅳ.成形品の経時的強度低下・変形の長期予測法と信頼性評価法
  1.残留応力の発生メカニズム

  2.変形の長期予測

  3.残留応力開放に伴う変形の長期予測

  4.強度低下の長期予測

【質疑応答・名刺交換・個別相談】