EVにおける非接触給電技術および充電システム
非接触給電の応用に最適な方式を選択するための要素技術と、高効率電力伝送技術に必要となる最新の磁界共鳴式非接触給電技術を修得し、製品やシステムへの応用開発に活かそう!
共催:R&D支援センター
日時:2011年6月13日(月) 10:30〜17:30
≪講座のポイント≫
電磁誘導によるエネルギー伝送の原理は19世紀に見いだされ、現在でも一般的にはトランスと呼ばれる変圧器に使われている。この1次側と2次側のコイル間ギャップを大きくして非接触で電力を伝送させる技術は微小電力では電動歯ブラシ等で実現されているが、電気自動車やプラグイハイブリッド車に充電する容量でコイル間ギャップとして床面と地上間の距離ではとたんに難しいものとなる。
本講座ではEV普及の現状とEVにおける大電力を大きなコイル間ギャップで電力伝送するための磁芯やコイルにおける課題とその解決法、電源と負荷の間の通信方法などを紹介すると共に、最新の磁界共鳴式非接触給電技術を含めて具体例と共に紹介する。さらに曝露に対する安全性、電波法の問題についても講義する。また、太陽光と電池のセカンドライフを考慮した充電ステーションについても詳解します。
≪プログラム≫
1.非接触電力伝送技術の概要
1-1 EV普及における充電インフラのニーズ
・充電インフラの開発動向
1-2 接触式充電インフラにおける課題
1-3 非接触電力伝送技術の比較
・電磁誘導方式/電磁波方式/共鳴方式
2.電磁誘導式電力伝送システム
2-1 電磁誘導の原理と特徴
・電磁誘導式電力伝送システムの応用例
2-2 電気自動車用充電システムの歴史と基本技術課題
2-3 従来の電磁誘導電力伝送方式の課題
3.要素技術 大ギャップ・高効率電力伝送技術
3-1 シミュレーションによる特性把握
3-2 コア、コイル、電源、通信技術
3-3 車両に搭載しての社会実験
・少ない電池搭載量で1日走行できる電気バス
4.開発技術の実用化と応用
4-1 車輌への応用
・1人乗りEVの1kWから路面電車用の150kWまで
4-2 産業機器への応用
・キャパシタなど新しい蓄電装置への充電
・水中など特殊用途
・港湾用など大型用途
4-3 実用化への課題
・健康への影響度と安全対策
・電波法の課題と道路上設置要件
・標準化
4-4 太陽光発電利用充電ステーション
・電池の2次利用とシステム構成
5.今後の方向性
5-1 電磁誘導式の距離的限界
・伝送距離と送受電面サイズ
5-2 共鳴式電力伝送技術の現状
5-3 電気自動車の走行中充電の可能性