金属疲労・破壊メカニズムと防止策・強度設計の基礎講座

疲労破壊各種因子の影響と改善例および強度設計法のノウハウを基礎から学び、安全で長寿命な製品開発に活かそう!

金属疲労・破壊メカニズムと防止策・強度設計の基礎講座 〜演習付〜

共催:R&D支援センター

日時:2011年6月27日(月) 10:30〜17:30

<講座のポイント>
本講座は、これから機械や構造物の設計を始めるようとする若手技術者や、すこし経験したことはあるが他の実例などを広く知りたいという方のために企画されたものです。
 まず、材料力学の基礎的な事柄を述べ、設計で良く用いる実用的な計算式をわかりやすく解説します。材料の強度については,歴史的な破損事故と対策を分析した結果から、各種の破損モードと、得られた教訓を整理して解説します。
 つぎに、金属疲労のメカニズムと影響因子について述べ、代表的な構造部材(溶接継手、ボルト締結部、はんだ接続部など)の疲労強度や予防保全法、寿命増大法、多数の強度改善構造例を紹介します。
 さらに、近年発達している破壊力学について、その入門と疲労設計への適用例を分りやすく述べます。
 最後に、最新の構造設計法について、その体系から、応力集中部や溶接継手の設計基準と維持基準運用の実際までを解説します。また、各段階にはやさしい例題がありますので、その演習と解答を通して、基礎から応用までを確実に習得することができます。簡単な計算をしますの、四則演算が可能な電卓を持参ください。

<プログラム>
Ⅰ. 材料力学の基礎 
  1.応力とひずみ 
  2.はりの曲げ応力と変形 
  3.内圧を受ける容器,配管 
  4.切欠きによる応力集中 
  5.ひずみゲージによるひずみ測定法 
Ⅱ. 事故に学ぶ材料強度 
  1.破損事故の原因となった材料破壊の各種メカニズムの特定と 
    その防止策および強度設計法 
  2.破損事故からの教訓、技術者倫理 
Ⅲ. 機械・構造物の疲労寿命 
  1.金属疲労のメカニズム 
  2.疲労限度のメカニズム 
  3.各種因子の影響 
  4.構造部材の疲労と強度・寿命の設計法 
   a.溶接継手 
   b.ボルト締結部 
   c.低サイクル疲労 
   d.はんだ接続部の熱疲労 
   e.疲労強度増大法 
Ⅳ. 疲労強度改善構造の実例 
  1.トラス、ラーメン構造で曲げを防止する方法 
  2.力の流れを滑らかにする構造 
  3.各部の荷重負担を均一にする構造 
  4.形状不連続部の曲率半径Rを大きくする方法 
  5.応力集中部を高応力域に設置しない方法 
  6.板へ面外力が作用する場合の構造 
  7.熱変形を拘束しない構造 
Ⅴ. 破壊力学の入門と適用例 
  1.破壊力学入門 
  2.応力拡大係数の値 
  3.疲労き裂進展速度と進展下限界値 
  4.溶接継手不溶着ルート部の疲労強度 
  5.微小欠陥を有する部材の疲労強度 
Ⅵ. 構造強度設計のノウハウ 
  1.構造強度設計の体系 
  2.応力集中部の疲労設計法 
  3.溶接継手の疲労設計法 
  4.溶接継手の疲労強度改善法 
  5.各種形状の応力解析集と材料強度データ集 
Ⅶ.演習例題と解答