断熱材の設計・成形技術と熱物性測定法および開発動向

熱伝導機構から、有機系(ウレタン系・スチレン系・オレフィン系など)の設計・成形技術、ロックウール、ガラスウール、真空断熱材などの開発動向まで3名の講師が詳しく解説!

断熱材の設計・成形技術と熱物性測定法および開発動向

主催:R&D支援センター

日時:2011年6月24日(金) 11:00〜16:30

第1部 断熱材の伝熱機構と熱物性

【講座のポイント】
 断熱材内部の伝熱機構を基礎的事項から紹介し、これらの基礎事項を断熱材の構造によってどのように考慮する必要があるのか解説を加える。

【プログラム】
1.はじめに
2.基本的伝熱機構
  2-1 伝導
  2-2 対流
  2-3 ふく射
3.多孔質断熱材の伝熱機構
  3-1 熱伝導率の推算
  3-2 計算モデル
  3-3 ふく射伝熱機構とその影響・制御
4.多層断熱材
  4-3 伝熱機構と計算モデル
  4-4 ふく射伝熱機構とその影響・制御
5.機能性断熱材に関する考察
【質疑応答・名刺交換・個別相談】

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第2部 有機系断熱材の特性・設計及び成形技術

【講座趣旨】
 住宅建築分野を主体とした省エネルギーによるエコ化が国策として進展されています。これらを背景として、有機系断熱材の材料特性、設計技術、技術上の課題などについて幅広く解説したいと思います。永年、この分野の研究開発、製造技術を担当してきた講師の経験に基づき、入門から応用までわかりやすく解説します。この分野に関心を持つ研究者、技術者、製造担当者などの方々のご参加を期待しております。また、質疑応答の時間も設定しており、現在お持ちの疑問点、問題点などにも応えていきたいと思います。

 習得できる知識・・・断熱材の市場動向、断熱材の熱特性、新製品開発動向、関連法規制動向、有機系断熱材の成形技術(原材料、成形方法、主要物性、用途、話題など)、有機系断熱材の課題。

【プログラム】
1.断熱材の概要
  1-1 断熱材の種類
  1-2 有機系断熱材の需要動向
  1-3 保温材の性質
  1-4 発泡プラスチックスの分類

2.有機系断熱材の特性、設計
  2-1 熱的特性
  2-2 熱拡散率の試算例
  2-3 熱伝導率の試験方法
  2-4 熱伝導率のモデル式及びその展開
  2-5 熱伝導率に及ぼす要因
  2-6 比熱のモデル式
  2-7 製品規格

3.有機系断熱材の成形技術
  3-1 ポリウレタン系(PUR/PIR系)
  3-2 ポリスチレン系(XPSBPS系)
  3-3 ポリオレフィン系(PE、PP系、EVA系)
  3-4 フェノール系(PF系)
  3-5 その他

4.有機系断熱材の課題と対策
  4-1 断熱性、難燃性対策
  4-2 断熱性の経時変化対策
  4-3 関連法規制動向と対策
  4-4 環境・安全対策
  4-5 発泡剤対策
  4-6 その他の課題と対策

5.質疑応答
【質疑応答・名刺交換・個別相談】

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第3部 断熱材の開発動向と物性評価・測定法

【講座趣旨】
 断熱材の熱伝導率を示しながら、近年の開発動向を示す。特に、従来の断熱材からナノ粒子を使った断熱材や真空断熱材までの性能とその評価方法を、問題点を踏まえながら述べる。さらに、断熱材を伝播する熱の解析方法や、適切な測定方法の選び方、ちょったした工夫で精度の高い熱伝導率測定が可能となることなどの紹介をする。

【プログラム】
1.はじめに
2.各種断熱材の紹介
  ロックウール、グラスウール、アルミナシリカ系断熱材、高温用断熱材、ナノ粒子を使った断熱材、真空断熱材などについて
  代表的な熱特性である熱伝導率を中心にそれらの使用用途や温度領域などについて述べる
3.断熱材の熱伝導率測定の現状
  NIST(米国標準技術研究所)が報告した断熱材の熱伝導率のラウンドロービン結果を基に、現在の測定精度がどの程度のものかを示す。
4.断熱材の熱伝導率測定方法
  断熱材の熱伝導率測定方法として最も一般的に使用されている保護熱板法、熱流計法について、測定原理、装置の紹介をする。また、レンガの熱伝導率測定として使われる非定常熱線法や、近年、使用されるようになったHot-Disk法、ニチアスが独自に使用している周期加熱法について述べる。これらの測定方法比較や、試験体と測定方法の関係、測定方法を選択する場合の注意点についてなど、測定方法の長所と短所を述べながら示す。
5.断熱材の熱伝導率の解析方法
  熱伝導率とかさ密度および温度の関係。
  固体による伝熱、ふく射、気体による伝熱の分離方法
6.ちょっとした工夫による測定精度向上テクニック
【質疑応答・名刺交換・個別相談】