LEDの発熱と熱抵抗評価および故障率・寿命の解析

信頼性が初めての人や、半導体はもとよりLEDを扱うことに慣れていない人にもわかりやすく解説!

LEDの発熱と熱抵抗評価および故障率・寿命の解析

主催:R&D支援センター

日時:2011年7月20日(水) 10:30〜16:30

<講座のポイント>
次期の省エネルギー照明やディスプレーの光源として期待されているLEDは固有で有限の寿命をもっているため、信頼性評価や信頼性設計の考え方が、従来のシリコンICやLSIの場合とは大きく異なる点に注意が必要です。

 本セミナーではまず、LEDの信頼性の特徴を述べ、信頼性評価の実例を概観したあと、寿命評価に関する標準化の動き、LEDシステムの信頼性設計のポイントを解説します。とくに寿命に関しては統計的データが信頼性設計上重要であることを理解していただきます。

 続いて、LEDの熱管理のポイントを明らかにし、基本技術である熱抵抗の測定方法について説明します。なかでも過渡熱抵抗の評価が照明器具などのLEDシステムも含めた放熱設計検証ツールとして、またLEDの実装不良の検出に有効な手段になりうることを解説します。

<プログラム>
1.LEDの信頼性の特徴
 1-1 半導体バイスの信頼性とは何か<信頼性の2つの側面>

 1-2 故障率のバスタブカーブにみるLED信頼性の特徴

 1-3 LEDで想定される故障モードと故障メカニズム

 1-4 LEDの信頼性への取組み<シリコンICやLSIとの基本的な違い>

2.メーカ、研究機関のデータから
 2-1 各社のLED信頼性試験データと照明器具設計者向けツール

 2-2 LED寿命予測方法とLM-80テストレポート

 2-3 照明器具全体の信頼性設計(White Paper 15)

 2-4 電解コンデンサで支配されるLED駆動回路の寿命予測報告例

 2-5 報告データから導き出せるLED寿命の活性化エネルギーの分析と比較

3.LED寿命評価に関する標準化の動き
 3-1 ASSIST勧告の動向と現状

 3-2 LEDダウンライト試験報告例

 3-3 IES規格 LM-80の紹介と分析及び寿命推定法(TM-21)

 3-4 LED照明器具の"Energy Star"適合基準

 3-5 LED寿命評価に関するIEC, JISの動向

4.偶発故障の故障率
 4-1 偶発故障で決まる故障率の推定

 4-2 信頼水準と期待故障数の計算

 4-3 信頼度評価試験に必要なサンプル数

5.マルチLEDシステムの信頼性設計
 5-1 マルチLEDシステムに要求される信頼性

 5-2 交通信号灯をモデルとしたシミュレーション

 5-3 加速寿命試験による故障率予測とデバイスアワーの壁

6.磨耗故障による故障率
 6-1 LED寿命評価のポイント<なぜ分布データとしての統計的調査が必要か>

 6-2 LED寿命に至る前に生ずる故障率急増の脅威

 6-3 現状よりもさらに大幅な寿命改善を必要とする理由

 6-4 長寿命LEDの寿命評価の難しさとその打開策

 6-5 温度加速試験が成り立つための条件と温度加速試験の失敗例

7.LEDの発熱と熱抵抗評価
 7-1 LED発熱の起源<LEDからの発熱は従来光源と比べてどこが異質か>

 7-2 LED発熱と光出力の低下及びLEDの温度・電流による波長シフト

 7-3 蛍光体を有する白色LEDの温度による波長シフト

 7-4 LEDに特異的な温度によるVFの挙動

 7-5 シリコンとは異なるVFの温度係数(K Factor)とその理論的背景

 7-6 接合温度の推定と熱抵抗測定法

 7-7 Heating Curveの解析と熱設計検証への応用

 7-8 過渡熱抵抗測定によるLED実装不良解析と品質管理への応用

8.まとめ

【質疑応答・名刺交換】