UV硬化型コート材の特徴と各種機能性の付与技術
UV硬化型コーティングにおける付着性、耐擦傷性、硬度、耐候(光)性、耐汚染性などの機能について、講師の経験と最近の報文を参考にしながら基礎的な理解と具体的な付与技術について判り易く解説!
UV硬化型コート材の特徴と各種機能性の付与技術 〜基礎から応用まで〜
主催:R&D支援センター
日時:2011年8月22日(月) 12:30〜16:30
≪講座のポイント≫
素材が金属、ガラス、セラミックからプラスチックに変わる中で、プラスチックの欠点である耐擦傷性を改良するためにUV硬化型コート材が広汎に使われるようになってきている。具体的には、化粧品容器、携帯電話の筐体、デジタルカメラの筐体などに使われている。
UV硬化型コート材を開発するに当たって様々な問題、付与すべき機能がある。具体的には、付着性、耐擦傷性、硬度、耐候(光)性、耐汚染性などの付与である。講師の経験と最近の報文を参考にしながら、これらの諸機能の基礎的な理解と具体的な付与技術について判り易く解説します。今後の開発のヒントになれば幸いと思っております。
≪プログラム≫
Ⅰ.UV硬化型コーティング材の基礎知識
1.UV硬化型コーティング材の種類と特徴
1)UV硬化型コーティング材とは
2)紫外線(UV)の波長と特徴
3)UV硬化型コート材の種類と特徴
①ラジカル重合型
②カチオン重合型
③アニオン重合型
2.ラジカル硬化型UVコーティング材について
1)反応の仕組み
①第1段階:ラジカルの生成
②第2段階:重合反応の開始
③第3段階:ポリマー化(3次元架橋反応):硬化
2)UV硬化型コーティング材の構成成分と樹脂成分
①UV硬化型コーティング材の構成成分
②主なオリゴマーの種類、特徴と主なメーカー
a.樹脂の変遷
b.ウレタンアクリレート
c.ポリエステルアクリレート
d.エポキシアクリレート
e.不飽和ポリエステル
f.アクリルアクリレート
g.ハイパーブランチ
3)光開始剤
①開始剤の変遷
②開始剤の種類、特徴と主なメーカー
Ⅱ.UV硬化型コーティング材の硬化挙動の測定方法と挙動の特徴
1.硬化挙動把握の重要性
2.硬化挙動への影響因子と物性
1)硬化挙動への影響因子
2)硬化状態と物性
3 酸素による硬化阻害(UV硬化型コーティング材の硬化挙動の特徴)
1)酸素による硬化障害が起こる理由
2)酸素による硬化障害の測定例
4.UV硬化型コーティング材の硬化挙動の解析方法
1)硬化物の硬度による硬化挙動の解析
①引っ掻き硬度(鉛筆硬度試験)
②耐スチールウール試験
③ナノインデンテーション硬度試験(微小硬度試験)
④各硬度試験の特徴
2)ゲル分率による硬化挙動の解析
3)赤外分光々度法による硬化挙動の解析
①全反射測定法の概要
②反応率の算出方法の概要
③測定実例
4)リアルタイムFTIRによる硬化挙動の解析
5)光DSCによる硬化挙動の解析
6)ラマン分光分析法を用いた硬化挙動の解析
7)NIR(近赤外)分光分析法を用いた硬化挙動の解析
8)誘電分析(DEA)による硬化挙動の解析
Ⅲ.UV硬化型コーティング材の付着性向上技術
1.はじめに
2.付着性に関与するUVコート材特有の要因
1)硬化時の硬化収縮について
①硬化収縮とは?
②硬化収縮の測定方法:比重法による測定方法、ひずみ法
③硬化収縮の一般的な傾向
④硬化収縮を少なくする方法
2)UV硬化条件と付着性
①UV照射条件と付着性の関係について
②膜厚と反応率について
③照射条件の最適化
3.付着理論について
1)剥離の形態について
2)付着の理論
①ぬれと付着
②付着理論の概要:拡散説、吸着説、電気接着説、投錨効果説、WBL層からの剥離
③各付着の理論をどう考えるか
4.付着理論をベースとした付着性向上方法について
1)プラスチック素材への付着について
①極性の低い高分子素材の場合(PS, PC, PPなど)
②極性の高い高分子素材の場合(ABS, PET, アクリル樹脂など)
2)無機素材(金属・ガラス)への付着について
①吸着説を利用して付着性を向上させる。
②化学結合を利用して付着性を向上させる。
5.前処理で付着性を向上させる方法について
1)一般的な前処理
①脱脂
②研磨ないしブラスト
2)難付着性高分子素材(PET,PPなど)の前処理
①フレーム処理
②コロナ放電処理
③プラズマ処理
Ⅳ.UV硬化型ハードコート材での耐擦傷性・硬度向上技術
1.各種ハードコートとUV硬化型ハードコートの特徴
1)ハードコートの種類と簡単な特徴
2)UV硬化型ハードコートが使用されている主な分野(プラスチック素材向け)
2.一般的な耐摩耗性・耐擦傷性試験について
・スチールウールによる耐摩耗性・耐擦傷性試験、砂消しゴム摩耗試験、テーバー摩耗試験など
3.塗膜のレオロジーからみた耐摩耗性・耐擦傷性について
4.耐摩耗性・耐擦傷性を向上させる方法
1)架橋密度を向上させて耐摩耗性・耐擦傷性を向上させる方法
①UVハードコート剤の表面硬化性を向上させる方法(酸素による硬化障害の防止)
②ラジカル重合の酸素による硬化障害の化学
③酸素による硬化障害の防止方法:コート剤の配合による対策、イナートシステム。
2)無機化合物をハイブリッド化して耐摩耗性・耐擦傷性を向上させる方法
①シリカとハイブリッド化する方法
②シリカ、アルミナを併用しハイブリッド化する方法
③アルミナ(ナノサイズ)とのハイブリッド
3)潤滑物質を使用して耐摩耗性・耐擦傷性を向上する方法
①液状潤滑物質で向上させる方法
②固体潤滑物質で向上させる方法:無機系の固体潤滑物質、有機系の固体潤滑物質
Ⅴ.耐指紋性・耐汚染性に優れたUV硬化型ハードコート材
1.指紋とは?
2.指紋の特徴
3.指紋付着性の評価方法
4.耐指紋性・耐汚染性UVハードコート剤の紹介
Ⅵ.UV硬化型ハードコート材への耐候性向上技術
1.耐光性試験の種類と特徴と主な規格
①S-W-O-M
②キセノン
③フェドメーカー
④紫外線
2.耐光性の化学
①紫外線のエネギーと化学結合
②変色とショーキングの違い
③発色団と助色団
3.UV硬化型コート材の耐光性が悪い理由
①樹脂の問題
②光開始剤の問題
4.UV硬化型コート材の耐光性向上の技術
①樹脂の選択
②光開始剤の選択
③紫外線吸収剤(UVA)の種類と特徴
④HALSの種類と特徴
⑤紫外線遮蔽材料
⑥各種手法の組み合わせ方
Ⅵ.UV硬化型ハードコート材による意匠性付与技術
1.一般的な塗装工程とライン構成
2.具体的な2コート系の塗装工程について
3.色材について
1)高輝度アルミ
①シルバーダラータイプの高輝度アルミ
②蒸着アルミ(PVDアルミ)
2)新規のパール顔料
4.再帰反射を利用した高意匠塗装について
1)高輝度アルミを使い再帰反射を利用した意匠の具体例
2)蒸着を使い再帰反射を利用した意匠塗装の具体例
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