応力とひずみ:材料力学と弾性学の基礎講座

材料の強度や変形を考える上で不可欠なセミナー。材料力学と弾性学の最も基本である応力・ひずみとその方向依存性を表す応力・ひずみテンソルについて初めて学ぶ人にも理解できるように、やさしく解説する特別講座!

応力とひずみ:材料力学と弾性学の基礎講座

共催:R&D支援センター

日時:2011年7月12日(火) 10:30〜17:30

<講師の言葉>
物体(材料)に加える力が大きくなると、物体は応力が最大となる面で壊れる。では、この面とそこに働く最大応力をどのようにして求めるのであろうか? 応力とひずみは、それが働く方向によって値が変わるので、これらがどのような法則に従って変わるのかを理解することは、材料の強度や変形を考える上で実用上非常に重要である。この応力・ひずみが方向によってどのように変化するか、すなわちその方向依存性を一つの単純な式で見事に表わしたものが、応力・ひずみテンソルである。ところが、応力・ひずみテンソルという用語は、多くの教科書に出てくるが、これがもつ意味を初めて学ぶ者にとっても分かるように易しく書いた本はほとんどない。

 材料力学と弾性学は、材料の強度と剛性(変形のしにくさ)に関する学問で、機械・材料・建築・土木工学などに必須の学問である。この講義は、著者の長年の講義の経験に基づいて、材料力学と弾性学の最も基本である応力・ひずみとその方向依存性を表す応力・ひずみテンソルを、これらの科目を学んだことのある人のみならず、始めて学ぶ人にも理解できるように、できるだけ易しく講義する。

<プログラム>
1.材料の強度と剛性
2.垂直応力とせん断応力
3.垂直ひずみとせん断ひずみ
4.変位と変形
5.変位とひずみの関係
6.残留応力
7.応力とひずみの関係; フックの式
  7-1 二次元の場合
  7-2 三次元の場合
  7-3 フックの式の単純化
8.応力値およびひずみの面の方向による変化
  8-1 モールの応力円: 面の方向と応力値の変化のグラフ化
    a.二次元の場合
    b.三次元の場合
9.テンソルの概念:応力・ひずみなどの物理量の座標変換(方向依存性)
  ・ベクトル(1階のテンソル)の座標変換
10.応力テンソル(2階のテンソル):方向によって異なる値をとる応力の一般的表し方
11.ひずみテンソル(2階のテンソル
  11-1 ひずみテンソルの一般的な式の導き方
  11-2 ひずみテンソルの新しい式の導き方
12.応力・ひずみテンソルの応用例:X線回折による残留応力測定法
13.残留応力の測定例