海外調達で品質トラブルを起こさないための契約とサプライヤーマネジメント
豊富な経験に基づいた事例による"サプライヤーの選定方法と契約および活用のポイント"、海外サプライヤーを用いた場合の重要となる品質管理のコツを学ぶ!
海外調達で品質トラブルを起こさないための契約とサプライヤーマネジメント
共催:R&D支援センター
日時:2011年7月13日(水) 10:30〜17:30
<講師の言葉>
日本のものづくりは「海外でつくり、海外で売る」時代に入った。今年3月の東北関東大震災によりこの動きは一層加速されるだろう。高付加価値品のマザープラントでの生産など、日本でのものづくりは続くが、海外サプライヤーの活用は避けて通れない。日本のものづくり産業は、拡大する新興国市場への対応のためには、新興国のサプライヤーを活用して、新興国価格に対応する必要がある。
また、先進国市場においても市場が頭打ちになる中で、コストダウンの観点から部品の海外調達の拡大は避けて通れず、海外サプライヤーを用いた場合の品質管理が極めて重要になってくる。新興国で調達可能な部品を用いてコスト競争力を磨きながら、先進国で通用する品質を達成するものづくりは、自動車のみならず、日本のものづくりの進むべき道を示している。
しかしながら、2010年に顕在化したように、海外ものづくりには、海外サプライヤーの品質管理(リコール対策)と、海外ものづくり拠点における労務管理(ストライキ対策)の難しさが立ちはだかってくる。新興国・先進国の如何にかかわらず海外サプライヤーの活用は今後さらに重要性を増してくるが、品質問題に妥協は許されない。
本講演では、海外調達の品質管理のあり方を、「良いものしか引き取らない」観点から提示し、かつこれを海外サプライヤーに遵守させる方法として、どのような事項を購買契約に盛り込むべきかを、講師の経験に基づき実例をあげて説明する。
<プログラム>
1.ものづくり日本のドメイン転換
1-1 人復旧、移設、新設
1-2 日本のものづくり経営のアキレス腱
1-3 ものづくり経営管理技術のドメイン転換
1-4 ものづくり経営手法の概念図
1-5 品質のコスト
1-6 完璧品質から価値づくり経営へ
2.新興国戦略と日本のものづくり
2-1 新興国戦略の変遷
2-2 韓国Hyundaiの躍進と海外生産思想
2-3 設計品質と製造品質
2-4 ものづくり組織能力の構築
2-5 海外サプライヤー活用の問題点
3.海外サプライヤーへの期待と活用
3-1 日本たばこ産業(JT)の「毒餃子」対応
3-2 インドTataモータースNanoのサプライヤー
3-3 海外サプライヤーの育成と活用
4.海外サプライヤーへの期待を実現するために
4-1 海外購買契約のポイント・・・日本企業の不得意なポイントの克服
4-2 良品とは・・ ・期待値の明確化
4-3 良品のみを納入してもらうためには・・・期待値の実現化
5.海外サプライヤーの選定基準
5-1 海外生産と国産化率・・・英国・ポーランド
5-2 選定結果の実例・・・欧州
5-3 選定基準の実例・・・QDCEL
6.海外サプライヤーとの購買契約の留意点
6-1 ケーススタディー:品質問題に関わる紛争
6-2 全体に関わる事項
6-3 Q(品質)を守るために
6-4 D(納期)を守るために
6-5 C(価格)を守るために
6-6 E(環境)を守るために
6-7 L(国産化率)を守るために
6-8 紛争解決に備えるために
6-9 海外サプライヤー契約の留意点
7.海外サプライヤーの「ものづくり組織能力」の評価方法
7-1 「ものづくり組織能力」とは
7-2 「7M+R&Dアプローチ」と「ものづくり経営」
7-3 ものづくり組織能力(MOC)の評価方法
7-4 ものづくり組織能力(MOC)と総資産利益率(ROA)の相関
7-5 経営改善への応用
8.サプライヤー改善と表彰の勧め
8-1 サプライヤー改善を進めるためには
8-2 表彰のための「傾向と対策」の開示
9.まとめ