認知心理学の基礎と使いやすい製品への応用

正しい知識に基づいて製品開発・設計を行うためのセミナー!インタフェース開発に不可欠となった認知心理学を学び、製品開発へと活かす特別講座!

認知心理学の基礎と使いやすい製品への応用

共催:R&D支援センター

日時:2011年7月19日(火) 10:30〜17:30

<講師の言葉>
認知心理学とは、人間が情報を知覚し、注意し、理解し、最終的に行動に結びつける過程を、科学的に理解する心理学の一分野です。この講座では、脳科学の進展と相まって、この10数年の間に飛躍的に進展した認知心理学の最近の知見をわかりやすく紹介し、また、これら知見を、製品の使いやすさとの関係を説明します。

 認知心理学の知見は、インタフェースの開発には不可欠になってきていますが、現場で使われている知識は、例えば、「マジカルナンバー7」のように、今日の認知心理学の立場からは必ずしも正しくないような知識が信じられていたり、といった事例がみられます。また、高齢者では、どのような認知機能が低下すると、製品の使いやすさにどんな影響があるのかもかなりわかってきました。

 そこで、このセミナーでは、ものの使いやすさに焦点をあて、認知機能との関係を具体的に解説します。また、脳科学行動経済学などの関連分野の研究成果にもふれながら、幅広い知識を紹介します。

 このセミナーでは、高齢者や一般のユーザにとって使いやすい機器とは何かを、受講者自らが考えることができるような知識が身に付くよう、認知のメカニズムに関する基礎から最新の研究までを体系的に解説します。

<プログラム>
Ⅰ. 人間の認知機能からものの使いやすさを考える視点
  1.認知心理学とは

  2.認知心理学と機器インタフェース

Ⅱ. 知覚と注意の機能
  1.知覚特性

    a. 知覚の基本特性

    b. 知覚への知識、経験の影響

  2.選択的注意

    a. 注意の基本特性

    b. 注意のコントロールのメカニズム

    c. 不注意のメカニズム

  3.注意資源

Ⅲ. 記憶とスキーマ
  1.記憶の構造と分類

  2.ワーキングメモリと短期記憶

    a. ワーキングメモリと個人差

    b. マジカルナンバー7?

  3.記憶と知識

    a. 長期記憶

    b. メンタルモデル

  4.スキーマと理解

Ⅳ. 遂行機能
  1.行動の選択と遂行

    a. 課題切り替えとプランニング

    b. 行動の自動化と行動の制御

  2.アフォーダンス

Ⅴ. 意思決定
  1.人間の判断の特性

  2.潜在的知識の影響

Ⅵ. 認知機能の加齢
  1. 加齢に伴う眼と脳の変化

  2. 加齢による注意機能の変化

  3. 加齢による遂行機能の変化

Ⅶ. インタフェースと認知機能
  1.認知機能からインタフェースを考える枠組

  2.認知機能に配慮したインタフェース設計

  3.認知機能の加齢とユーザビリティ