設計品質トラブル(防止)の「見える化」

品質トラブルが起こる設計原則、設計品質トラブル防止のコツと設計品質トラブル防止の「見える化」を修得し品質保証に活かそう!!品質トラブル防止のコツを学ぶための特別講座!巨大地震・大津波による原発事故から学ぶ講座!

設計品質トラブル(防止)の「見える化」 〜机上演習付〜

共催:R&D支援センター

日時:2011年9月2日(金) 10:30〜17:30

[講師の言葉]
3・11に起こった巨大地震について、ソーシアルメディアでは、「マグニチュード9.0は想定外」「10mを超す津波も想定外」「原発が破壊するのも想定外」・・・想定外のオンパレードである。

 東海・東南海・南海地震が連動した場合でもマグチチュード8.7、津波の高さは10m以下の想定であると言われてきたことから、確かに東北関東大震災地震規模や津波は想定外であることは事実であろう。

 しかし、我々が日常的に遭遇する多くの品質トラブルには想定外が多く、その場合でも「このようなことになるのは想定外でした」という言葉を使って逃げることができないだろう。例えば、現実が従来の想定を超えた場合は、直ちに想定自体を見直した基準や標準化を行っている。そのため、今回は、国も原発に対しての新しい安全指針を見直すと考えたらよいでしょうし、我々もこの機会に安全基準やリスクに対しての見直しの機会にするのがよいだろう。

 即ち、我々の設計においても「人間は自然を制御できない」という原点に戻り、まず原発事故という現実から何を学び、どのように我々の設計品質トラブル防止に生かすかを、設計エンジニアという立場で考え、さらに、これまでの設計品質トラブルの「見える化」とその防止策を皆さんと討議しながら考察する。

 なお、このセミナーに必要な予備知識は、特にない。また、設計部門以外のエンジニアもご参加してほほしい。

 このセミナーにより、設計品質トラブルゼロへの挑戦意欲が沸くことを期待します。

[プログラム]
Ⅰ.はじめに(3・11巨大地震・大津波による原発事故から気づいたこと)
  1.放射能リスクには、しきい値があること
  2.想定外を考える
  3.暫定規制値から思い浮かぶこと
  4.過去の経験が生きなかったこと
  5.安全と安心について再考する
  6.電力不足と停電について考える
  7.ハザードとリスクの違い、など(その他、当日紹介)

Ⅱ.約90%の設計者が大きな品質トラブルを経験している
  1.設計段階に起因する品質トラブルが多い
  2.同じような品質トラブルを起こさない防止策はあるか

Ⅲ.今起こっている設計・生産現場の品質トラブルの「見える化
  1.生産現場からの声
  2.H社の設計幹部の訴えにどう答えるか(机上演習)
  3.N社の設計部門に突き付けられた関連部門の要求
  4.その他、各社の設計診断で見つけた“ワースト5トラブル”
    a.改訂されない図面
    b.不具合の再発
    c.重複するアッセンブリ図
    d.なおざりにされる部品図
    e.構想設計モデルのトラブル

Ⅳ.設計品質トラブル防止策の基本
  1.お客様の声の「見える化
  2.お客様の声を設計図に織り込むの「見える化
  3.設計レビュー、設計検証、妥当性確認の「見える化
  4.設計変更管理の「見える化

Ⅴ.設計品質トラブル再発・未然防止のための定石
  定石1.すべての品質トラブルは上司に迅速に伝える
  付。報連相とコミュニケーション力の重要性
  定石2.設計品質トラブルは、すべての業務に優先して原因究明・処置する
  定石3.設計品質トラブル防止には、マネジメント力の強化が必要である。
  定石4.設計が悪ければ生産で改善できない
  定石5.設計品質トラブルの再発防止の手順化をする
  定石6.設計品質トラブル防止の未然防止につなぐ

Ⅵ.質疑応答