ぬれのメカニズムと制御および測定・評価方法【大阪開催】

実際の表面で生じるぬれ挙動について、表面あらさや汚れなどの影響、接触角の測定方法について述べ、さらに表面の撥水化、親水化を行う基本的な考え方や、ぬれに関係する実際の現象の考察例を紹介!

ぬれのメカニズムと制御および測定・評価方法

主催:R&D支援センター

日時:2011年10月7日(金) 12:30〜16:30

[講座のポイント]
 ぬれは固体と液体の親和性を表す尺度である。本講座では、まずぬれを考える上で基礎となる表面(界面)張力の考え方について、力とエネルギー両面の性質について理解を深める。液体の表面張力を例にとり、液滴やバブル内の圧力増加の見積もり方や、固体面に置かれた液滴の表面形状、垂直板に付着した液柱(メニスカス)の形状を求める方法、ならびに液体の表面張力を測定する手法を説明する。また、表面張力の関係した物理的な諸現象(ワインの涙、マランゴニ(サーモキャピラリ)効果、液滴の分裂などを紹介する。

 ぬれを考える上で基礎となる、固気、固液、気液各界面張力(エネルギー)の間の関係を表すヤングーデュプレの方程式と、ぬれやすさの指標となる拡張仕事、付着(接着)仕事について説明する。これらの関係から、固体と液体間に観察される接触角の物理的な意味について理解を深める。ついで、実際の表面で生じるぬれ挙動について、表面あらさや汚れなどの影響、また接触角の測定方法について述べる。さらに応用例として、表面の撥水化、新水化を行う基本的な考え方や、ぬれに関係する実際の現象の考察例を紹介する。講演最後には、実用上のぬれの問題に関する質疑応答を行う

[プログラム]
1.表面張力を理解する
  1.1 表面張力の意味と大きさ
  1.2 液滴などの表面形状について
  1.3 表面張力の測定方法
  1.4 表面張力に関連した色々な現象

2.ぬれの基本的な知識を理解する
  2.1 ぬれるとはどういうことか?(表面・界面エネルギー,付着・接着仕事)
  2.2 接触角とヤング−デュプレの方程式
  2.3 ぬれやすさの予測

3.実際の表面におけるぬれ性の評価
  3.1 接触角の履歴現象(表面のあらさや汚れがぬれ性に与える影響)
  3.2 接触角の測定方法

4.実用面におけるぬれの諸問題
  4.1 ぬれ性の制御(超撥水,超親水)
  4.2 ぬれに関する色々な現象およびトピックス

5.おわりに
【質疑応答・名刺交換・個別相談】

キーワード:ぬれ,接着,表面張力,接触角,表面自由エネルギー,測定,評価,親水化,撥水化