独立成分分析(ICA)の基礎とMATLABを用いた活用法

画像や音声などの信号処理をより高品質にするための講座!複雑な混合データ信号の中から必要な信号を抽出するICAの原理や使用方法を理解し、製品開発に応用しよう!

独立成分分析(ICA)の基礎とMATLABを用いた活用法 〜1人1台PC実習付き〜

共催:R&D支援センター

日時:2011年10月19日(水) 10:30〜17:30

【講師の言葉】
近年、信号解析の新しい手法として「独立成分分析(ICA)」が注目されている。独立成分分析は、信号の統計的独立性という性質のみを用いて、従来の多変量解析(主成分分析、因子分析等)では成し得なかった複雑な混合データの分離再生を実現可能にするものである。

 本セミナーでは統計的独立性から説き起こし、独立成分分析の背後にある数理のポイントをわかりやすく説明する。また、いくつかの代表的なアルゴリズムを紹介して、それらの原理を解説する。さらに、具体的な解析事例を通じて本手法の威力と適用限界を示す。最後に、インターネットから簡単に入手できるフリーソフトとMATLABを用いて計算機実習をおこない、実際の運用方法やパラメータの設定方法などを実践的に学ぶ。本セミナーで学ぶことにより、今まで難解と感じられた独立成分分析が身近で「使える道具」であることが実感できるであろう。

【プログラム】
Ⅰ. 独立成分分析の概要
  1. 聖徳太子の信号解析(独立成分分析とはどのようなものか。背景と歴史)

  2. いくつかの解析事例(音声混合信号、画像混合信号の分離事例)

  3. 問題の設定と定式化(数学的には何をしようとしているのか?)

Ⅱ. 数理的基礎
  1. 確率・統計の基礎(独立成分分析に用いられる確率・統計)

    a. 平均、分散、統計量

    b. 結合分布、周辺分布

    c. 正規分布とその特徴、中心極限定理

    d. 相関と統計的独立性

  2. 相互情報量エントロピー

  3. カルバック情報量

Ⅲ. 独立成分分析(ICA)の原理とアルゴリズム
  1. ICAの定式化

  2. 独立性の測り方

    a. 分布を用いる場合

    b. 分布を用いない場合

  3. 勾配法によるアルゴリズム

  4. 不動点法によるアルゴリズム

  5. ヤコビ法によるアルゴリズム

  6. いくつかの実装方法(評価法、学習法による分類)

Ⅳ. フリーソフトMATLABによる実例・実習
  1. インターネット上にある有用な資料とその概説

  2. インターネット上にある有用なフリーソフトとその使用方法

  3. フリーソフトによる実習(混合画像、混合音声、混合時系列データなどの分離・再生)