キャビテーションの基礎と損傷対策
キャビテーションのメカニズムを理解し、機器性能の低下、振動・騒音、部材損傷破壊などを防止しよう!
共催:R&D支援センター
日時:2011年10月24日(月) 10:30〜17:30
【講師の言葉】
流体を取扱う機械や部材では、装置の小型化、高速化を推し進めるときに必ず直面する問題がキャビテーションです。キャビテーションは、流速の増加に伴って発生する気泡の連続的な発生及び消滅現象であり、キャビテーションが発生すると、性能は低下し、振動、騒音が発生するだけでなく、部材が損傷して装置を破壊するなどの様々なトラブルが発生します。
こうした問題を解決するには、キャビテーションの発生メカニズム、発生条件、損傷メカニズム、損傷に影響する因子を十分に理解し、把握しておく必要があります。キャビテーションが発生しない条件で設計するのが望ましいが、過酷な使用条件によりキャビテーションが発生してしまった場合に対処方法について材料面からのアプローチにより解決する手法について解説します。
本セミナーの講師は、キャビテーション損傷の問題に約30年間取組んでいる日本でも数少ない研究者です。
【プログラム】
Ⅰ. キャビテーションの基礎
1.キャビテーションの発生原因
2.キャビテーションの様子と分類
Ⅱ. 気泡の発生及び崩壊のメカニズム
1.気泡の発生条件とキャビテーション係数の定義
2.気泡崩壊のメカニズム
Ⅲ. キャビテーション損傷の事例
Ⅳ. キャビテーション試験装置
・磁わい振動装置とキャビテーション噴流試験装置
Ⅴ. 損傷のメカニズム
1.気泡崩壊時の圧力
2.各種金属材料の損傷過程
Ⅵ. 損傷に影響を及ぼす因子
・流速、温度、キャビテーション係数、音響インピーダンス、表面張力
Ⅶ. 各種工業材料の損傷
1.炭素鋼
2.ステンレス鋼(含二相ステンレス鋼)
3.鋳鉄
4.銅合金,チタン合金
5.プラスチック
Ⅶ. 実機でのキャビテーション対策
1.ポンプ,水車,プロペラ,オリフィス,バルブでの対策
2.表面被覆材料