LEDの放熱・信頼性設計と寿命予測
LEDの評価や設計に役立てるためのセミナー!LEDの更なる寿命確保と、実装不良検出管理に必須となる過度熱抵抗評価法のポイントを修得し、製品開発に活かそう!
共催:R&D支援センター
日時:2011年10月24日(月) 10:30〜17:30
【講師の言葉】
次期の省エネルギー照明やディスプレーの光源として期待されているLEDは固有で有限の寿命をもっているため、信頼性評価や信頼性設計の考え方が、従来のシリコンICやLSIの場合とは大きく異なる点に注意が必要です。
本講座ではまず、LEDの信頼性の特徴を述べ、信頼性評価の実例を概観したあと、寿命評価に関する標準化の動き、LEDシステムの信頼性設計のポイントを解説します。とくに寿命に関しては統計的データが信頼性設計上重要であることを理解していただきます。
続いて、LEDの熱管理のポイントを明らかにし、基本技術である熱抵抗の測定方法について説明します。なかでも過渡熱抵抗の評価が照明器具などのLEDシステムも含めた放熱設計検証ツールとして、またLEDの実装不良の検出に有効な手段になりうることを解説します。
信頼性が初めての人や、半導体はもとよりLEDを扱うことに慣れていない人にも、わかりやすく解説致しします。
【プログラム】
Ⅰ.LEDの信頼性の特徴
1.半導体デバイスの信頼性とは何か<信頼性の2つの側面>
2.故障率のバスタブカーブにみるLED信頼性の特徴
3.LEDで想定される故障モードと故障メカニズム
4.LEDの信頼性への取組み<シリコンICやLSIとの基本的な違い>
Ⅱ.メーカ、研究機関のデータから
1.各社のLED信頼性試験データと照明器具設計者向けツール
2.LED寿命予測方法とLM-80テストレポート
3.照明器具全体の信頼性設計(White Paper 15)
4.電解コンデンサで支配されるLED駆動回路の寿命予測報告例
5.報告データから導き出せるLED寿命の活性化エネルギーの分析と比較
Ⅲ.LED寿命評価に関する標準化の動き
1.ASSIST勧告の動向と現状
2.LEDダウンライト試験報告例
3.IES規格 LM-80の紹介と分析及び寿命推定法(TM-21)
4.LED照明器具の"Energy Star"適合基準
5.LED寿命評価に関するIEC, JISの動向
Ⅳ.偶発故障の故障率
1.偶発故障で決まる故障率の推定
2.信頼水準と期待故障数の計算
3.信頼度評価試験に必要なサンプル数
Ⅴ.マルチLEDシステムの信頼性設計
1.マルチLEDシステムに要求される信頼性
2.交通信号灯をモデルとしたシミュレーション
3.加速寿命試験による故障率予測とデバイスアワーの壁
Ⅵ.磨耗故障による故障率
1.LED寿命評価のポイント<なぜ分布データとしての統計的調査が必要か>
2.LED寿命に至る前に生ずる故障率急増の脅威
3.現状よりもさらに大幅な寿命改善を必要とする理由
4.長寿命LEDの寿命評価の難しさとその打開策
5.温度加速試験が成り立つための条件と温度加速試験の失敗例
Ⅶ.LEDの発熱と熱抵抗評価
1.LED発熱の起源<LEDからの発熱は従来光源と比べてどこが異質か>
2.LED発熱と光出力の低下及びLEDの温度・電流による波長シフト
4.LEDに特異的な温度によるVFの挙動
5.シリコンとは異なるVFの温度係数(K Factor)とその理論的背景
6.接合温度の推定と熱抵抗測定法
7.Heating Curveの解析と熱設計検証への応用
8.過渡熱抵抗測定によるLED実装不良解析と品質管理への応用 Ⅷ.まとめ