プラスチック成型品における残留ひずみ発生メカニズムとアニール処理技術
残留ひずみについて理解を深め、適切なアニール処理の方法を習得し、光学的性能の低下、割れ不良、寸法不良などのトラブルを防止しよう!
プラスチック成型品における残留ひずみ発生メカニズムとアニール処理技術
主催:R&D支援センター
日時:2011年12月20日(火) 12:30〜16:30
[講座のポイント]
成形時に発生する残留ひずみは、光学的性能の低下、割れ不良、寸法不良などのトラブルの原因になる。残留ひずみは、材料選定、製品設計、成形条件などの対策で発生を防止する必要があるが、どうしてもアニール処理によって残留ひずみを除去せざるを得ないケースもある。しかし、アニール処理は、残留ひずみ除去にとって万能な方法ではない。アニール処理で除去できないひずみもあるし、かえって製品の性能を低下させることもある。本講では、残留ひずみについて理解を深め、適切なアニール処理の方法について、現場的観点から解説する。
[プログラム]
1.残留ひずみの発生原理・対策
1-1 残留ひずみは、なぜ発生するか
1) 分子配向による残留ひずみ
2) 冷却時の比容積差による残留ひずみ
3) インサートによる残留ひずみ
4) 二次加工(溶着、機械加工)による残留ひずみ
1-2 残留ひずみはどのような成形工程で発生するか
1) 射出成形
2) 押出成形
3) ダイレクトブロー成形
4) 真空成形
1-3 材料の選定はどうすればよいか
1-4 製品設計上の対策はどうすればよいか(射出成形を例にして)
1-5 成形条件上の対策はどうすればよいか(射出成形を例にして)
1-6 残留ひずみの検出にはどのような方法があるか(現場的方法を中心に)
1) 光弾性法
2) 溶媒浸漬法
3) 削除法
4) 加熱法
1-7 残留ひずみによるトラブル
1) 光学的ひずみ
2) 強度の異方性
3) 割れ不良
4) 寸法不良
2.アニール処理
2-1 応力緩和とはなにか
2-2 アニールとはなにか
2-3 アニール温度と時間選定はどうすればよいか
2-4 アニールはどうすればよいか
1) 熱風加熱炉
2) オイルバス、温水槽
3) 遠赤外線加熱
2-5 樹脂によりアニール条件選定はどうすべきか
1) ポリカーボネート
2) ポリアセタール
3) ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
4) その他
2-6 アニール処理するときの注意点はなにか
2-7 アニール処理で除去できない残留ひずみはあるか
2-8 アニール処理はどのような場合に必要か
1) 塗装、印刷、めっき
2) 厚肉製品(丸棒、厚板)
3) 強度の向上、寸法の安定化
【質疑応答・名刺交換・個別相談】