わかりやすいクリーンルームの基礎と,改善のポイント

経験豊富な講師が実験・実測・経験に基づいて管理レベル向上、作業員教育、製造環境改善・清掃、省エネルギー等を詳解!

わかりやすいクリーンルームの基礎と,改善のポイント

〜作業員管理と教育,清掃と各種改善のコツ〜

主催:R&D支援センター

日時:2011年12月22日(木) 10:30〜16:30

[講座のポイント]
本講演はクリーン化技術の業務に携わる,主に初級から中級までの全ての方々を対象に,基礎から始めて → 中級の上位レベルまでの内容を徹底的に解説します。その際,理論だけではなく,実験・実測・経験に基づいて,印象に残りやすく,かつわかりやすい説明で進めていきます。具体例を示し,演習も行い,図・表・写真も多く示します。質問も随時受け付けます。なお,専門用語は進行に伴い随時説明します。

 以下,講演の4つの柱について簡単に触れます。
1.管理レベル向上(含,基礎の確認)
  清浄度の定義,クリーンルーム内の気流・塵埃の挙動,各種汚染物質の性質,などの基礎を確認します。そうすることによって,クリーン化技術向上のために何をなすべきかが自然に理解できるように話を進めていきます。さらなるクリーン化のための確認・気付き・コツの理解がこの項の重要点です。
2.作業員教育
  意外と気付かずにやってしまう”べからず集”を理論と事実で解説します。作業員はクリーンルームやクリーンエリア内でどのように行動すべきか(ルール),人からの発塵機構はどうなっているのか,ノウハウ伝承を含めた教育手法など,それらが”クリーン状態の確保”,”良品率の向上”に直結していることを解説します。前項で言及した各種汚染物質の性質に対して,どのように考え,どのように行動し,どのように製品汚染を減らすか?が,この項の重要点です。
3.製造環境改善・清掃
 ・クリーンな領域が,汚染されない/汚染しないようにどのように維持・管理したらよいのか?
 ・具体的な製造環境の改善はどうしたらいいのか?
 ・何か普遍的な対応策はあるのか?
 ・製品汚染が発生した場合の考え方(対策手順)と手段は?
といった疑問に対して,豊富な改善例に基づいた解説で,指針を示していきます。また,清掃についても言及します。
4.省エネルギー・その他
 ・クリーンルーム省エネルギーは実質的にどこまで進んでいて,現在どのような状況にあるのか?
 ・最近までの省エネの内容変化は,どのような考え方に基づいているのか?
 ・日常の省エネのポイントは?
   などについて説明します。さらに,クリーンルームの国内外関連規格(ISO規格,JIS規格,JACA指針な
ど)の最新動向の話題を提供します。最後に,各種参考文献を紹介します。

√付きの四則演算電卓をご持参ください。

[プログラム]
1.クリーンルーム(以下,CR)を再認識する
  1-1.いかにきれいか,そのイメージをつかむ
    ・[演習]清浄度のイメージ
    ・清浄度クラス・線図・数値表(ISO規格,JIS規格,その他)
  1-2.種類・形式・変遷
    ・一方向流型CR,非一方向流型CR,ベイ方式,ボールルーム方式,局所方式
    ・CRの発祥と,型式の変遷
    ・最近の動向と,その基になる考え方
2.クリーンルーム内の汚染物質
 [塵埃]
  2-1.塵埃の性質
    ・気流との関係,拡散範囲
    ・CR内の気流の流れ
    ・[演習]空気中での微小粒子の移動
    ・微小ミストの蒸発時間
    ・CR内の塵埃
    ・CRの立ち上がり時の塵埃挙動
    ・CRでの,瞬時/連続・点発塵による塵埃拡散(汚染範囲)
    ・気流が曲がる場合の,塵埃の挙動・拡散
  2-2.人・物からの発塵
    ・拡散範囲,内圧変動,摺動発塵
    ・製品と人と製造装置の位置関係
    ・物からの発塵
    ・衣類の摺動による発塵
    ・布を通した発塵量
    ・各種摺動による発塵
    ・製造装置内の稼働機構からの発塵
    ・人からの発塵
 [ケミカル汚染物質]
  2-3.分類,濃度表記
    ・アウトガスとは?
    ・ケミカル汚染物質の種類と悪影響
    ・AMCsの分類,濃度表示
    ・対象物質の分類
    ・捕集方法と分析方法の組合せ
    ・インピンジャー捕集,カラム捕集,基板捕集法,フィルタ捕集,キャニスター
    ・捕集
 [菌類]
  2-4.落下法と衝突法(実験)
3.クリーンルーム内の作業員管理と教育
  3-1.大原則
    ・CR内の作業員管理と作業員教育
    ・CRの4原則
    ・クリーンスーツの誤着用
  3-2.クリーンスーツ着衣人体からの発塵機構
    ・クリーンスーツ袖口からの発塵
    ・クリーン手袋からの発塵
    ・クリーンスーツ内の圧力変動
    ・クリーンスーツを通しての発塵
    ・定位置腕振りによる発塵状況
    ・[演習]人体からの塵埃拡散範囲
    ・CR内作業者からの発塵機構
  3-3.人の位置取り・適正な動作について
    ・作業者の意識,規律と行動
    ・作業者への教育・訓練項目/方法
  3-4.クリーンスーツの選定,洗濯頻度
    ・クリーンスーツ選定の要件
    ・クリーンスーツのフィルタ効率と運動発塵量との関係
    ・クリーンスーツ洗濯の頻度
    ・クリーンスーツの劣化
  3-5.クリーン手袋の扱い
    ・クリーン手袋は上か下か?
  3-6.エアシャワーの効果
4.さらなる清浄化への指針(対策)
  4-1.微小塵埃/ミスト/気流を見える化 → そして対策へ
    ・まず対象を捉える
    ・測定の実際(塵埃/気流)
    ・クリーンベンチ内の隅角部の気流
  4-2.普遍的な対策コンセプト
  4-3.除去/抑制の手順と考え方
    ・塵埃に起因する汚染機構の解明
    ・模擬作業による汚染状況の把握
    ・製品にとってより良い環境のために
  4-4.改善事例に学ぶ汚染対策の要点 → 製品の良品率改善へ
    ・対策(改善)事例(塵埃/気流)
    ・[演習]クリーンベンチ内の滞留解消,テーブルの改善
    ・[演習]狭い領域の清浄化
    ・汚染物質への対策方法
5.クリーンルームの清掃
  5-1.清掃の種類と方法
  5-2.各部位の清掃方法・頻度,特定表面の清掃
    ・各種製造装置クリーニング・・・搬入時,据付時,メンテナンス・修理時
  5-3.注意点
    ・更衣室,搬送領域,CR施設全体の完全清掃,緊急時の清掃
6.省エネルギー
  6-1.エネルギーフロー解析
  6-2.消費エネルギーの構成分析
  6-3.手法の系統分類
  6-4.省エネ項目
  6-5.クリーンルームだけにこだわるな
  6-6.エネルギーのトレード
  6-7.省エネの要点
7.クリーンルームの国内外関連規格の最新動向
    ・ISO規格,JIS規格,JACA指針など
8.参考文献紹介(初級〜上級まで,主要なものを表紙画像と内容も含め紹介)
   8-1.専門書(単行本など)
    ・CR全般,エアロゾル工学,バイオクリーン,用語辞典類,流体力学クリーンルームの規格など.
   8-2.主に論文・規格類
    ・CR全般,エアロゾル・塵埃,バイオクリーン,計測全般,微粒子,気流可視化
     など.
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