高分子結晶化による高次構造制御と解析技術
高分子の結晶化および高次構造制御の基礎知識から、核剤や透明化剤の上手な使い方、成形プロセス中での結晶化挙動の解析法までを3名の講師が詳しく解説!
主催:R&D支援センター
日時:2012年3月22日(木) 11:00〜16:30
第1部 高分子の結晶化の基礎と速度・高次構造制御
【講座のポイント】
汎用プラスチックからスーパーエンプラに至るまで様々な結晶性高分子が利用されている。結晶性高分子の材料物性の向上には結晶高次構造制御が、加工性の向上には結晶化速度の制御が重要となる。
本講では、結晶性高分子を利用した材料設計に必要不可欠な結晶構造・高次構造、結晶成長機構、融解など高分子の結晶化に関する基礎的概念を習得できるようにする。それらの基礎的概念に基づいて、ポリオレフィンとポリエステルを例に挙げて高分子の結晶化機構や結晶高次構造の特徴について解説する。また、ポリマーブレンドやコンポジットなどによる結晶高次構造や結晶成長速度の制御の実例について紹介する。
【プログラム】
1.高分子の結晶化の基礎
1-1 高分子を結晶化させる方法
1-2 高分子の結晶構造(単位格子)
1-3 高分子の結晶高次構造(ラメラ、球晶)
1-4 結晶の構造評価(偏光顕微鏡、光散乱、電子顕微鏡、広角・小角X線散乱)
1-5 結晶成長機構(核形成、ラメラの成長、温度や分子量依存性)
1-6 結晶の融解(化学構造と融点、ラメラサイズと融点、融点降下)
2.高分子の結晶化と高次構造
2-1 ポリエステルの秩序化と結晶成長過程
2-2 ポリエチレンの結晶高次構造の温度変化と熱可逆性
2-3 ポリプロピレンの配向・緩和と結晶化
2-4 ポリエステルの配向結晶化と微細ラメラの形成
3.ブレンド・コンポジットの結晶化速度と高次構造
3-1 相溶系での結晶化
3-2 非晶成分の排除と多様な結晶高次構造
3-3 液々相分離による結晶化の誘発と加速
3-4 相分離構造のサイズと結晶成長速度
3-5 コンポジットによる結晶化の加速と結晶高次構造
(質疑応答・名刺交換)
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第2部 核剤・透明化剤の基礎と工業的利用
【講座のポイント】
核剤・透明化剤は微量の添加で大きな改善効果(力学特性の改良、特に弾性率、強度の向上や透明性の改良)が期待され、ポリマーそのものの改良と相まって、工業的/経済的に利用できる改良手法の一つと言えます。今回は核剤・透明化剤の機能発現に関わる基礎から工業的な応用例/実例までを、ポリオレフィンやポリエステルなどを中心に解説します。
【プログラム】
1.結晶化と核剤・透明化剤
1-1 高分子の結晶化
1-2 高分子の結晶化と核剤・透明化剤
1-3 エピタキシー
1-4 核剤・透明化剤の作用とメリット
1-5 市販核剤・透明化剤の種類
2.核生成の理論と核剤・透明化剤
2-1 核剤・透明化剤の濃度(添加量)の影響
2-2 核剤・透明化剤のサイズの影響
2-3 核剤・透明化剤の結晶格子定数の影響(結晶格子の整合性)
3.核剤・透明化剤による材料特性の改善
3-1 力学特性の改善
3-2 透明性の改善
3-3 成形性・生産性の改善
3-4 ポリマー設計と透明化剤
3-5 その他の実用例
(質疑応答・名刺交換)
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第3部 成形プロセス中の高分子の結晶化挙動解析
【講座のポイント】
高分子の溶融成形プロセスは温度変化と流動・変形を伴う複雑なプロセスである。このような場で起こる高次構造形成のメカニズムを、結晶化速度と冷却速度の関係、結晶化の発熱の影響、配向誘起結晶化と結晶化に伴う自発的配向形成、シシケバブ構造形成などの観点から解説する。
【プログラム】
1. 成形プロセス中の結晶化の基礎
1-1 冷却過程での結晶化
1-1-1 準静的扱い−アブラミの式の非等温への拡張
1-1-2 結晶化潜熱の発生速度と冷却速度
1-1-3 準静的扱いの限界、核形成・成長
1-2 流動場での結晶化
1-2-1 流動場の分子配向形成(応力−光学則)
1-2-2 結晶化速度の配向度依存性
1-2-3 流動の記憶効果
1-2-4 シシケバブ構造形成
2. 成形プロセス中の結晶化の解析事例
2-1 各種オンライン計測手法
2-1-1 巨視的パラメータ計測(温度計測、速度計測、直径計測、応力計測)
2-1-2 微視的パラメータ計測(複屈折計測、X線回折測定)
2-2 溶融紡糸過程の解析
2-2-1 温度測定による配向結晶化速度解析、
2-2-2 複屈折計測による結晶化挙動の推定
2-2-3 広角X線回折測定による結晶化挙動解析
2-3 フィルム成形過程の解析
2-3-1 一軸伸長過程・緩和過程の応力−複屈折同時計測
2-3-2 二軸伸長過程の応力−複屈折同時計測
2-3-3 逐次二軸伸長過程の高次構造形成
3.溶融成形過程の移動現象論と高次構造形成
3-1 溶融成形過程のモデル化
3-2 高次構造形成を伴う系のモデル化
(熱収支、構成則への影響を考慮した解析)
4.まとめ−今後の発展への指針
(質疑応答・名刺交換)