製品開発への応用のためのヒト触覚知覚メカニズムの解明と触感の評価法
ヒトの触覚認識メカニズムから、心理物理実験のやりかた、触感センサの作り方と使い方、触感ディスプレイの作り方、使い方までを分り易く解説!
製品開発への応用のためのヒト触覚知覚メカニズムの解明と触感の評価法
主催:R&D支援センター
日時:2012年8月30日(木) 12:30〜16:30
[講座のポイント]
ヒトが触れる製品は,自動車,家電製品,化粧品,生活用品,家具,衣類,食品など多岐に渡る。これらの製品の付加価値向上のためには触覚・触感の研究が不可欠である。また,ロボティクスやバーチャルリアリティーの分野でも,触覚伝送の必要性が高まっている。このため,本講習会では,ヒトの触覚認識特性と,これをセンシングしたりヒトに呈示する技術について解説を行う。まず,ヒトの皮膚と触覚の構造と機能について説明する。次に,産業界における,触覚が利用される局面について述べる。さらに,触覚センサに関する従来の研究および講演者らの研究について述べる。すなわち,ヒトの触感認識メカニズムの多変量解析結果,ニューラルネットワークを用いた触感認識モデル,ヒトに学ぶ触感センサや局所滑りセンサの構造と機能について述べる。次に,触感の物理特性、心理特性の調査と多変量解析に基づく触感の解析結果について述べる。すなわち、「つるつる」「ざらさら」「すべすべ」はどう違うのか、「ねばねば」「べたべた」「しっとり」はどう違うのか、「心地よさ」「安心感」「爽快感」はどのような表面物性や触感に関連しているのか、などについての解析結果について述べる。最後に、触感ディスプレイによる触覚の呈示技術について述べる。これらの結果、ヒトの触感についての基本的な理解と、製品開発に触感解析を生かすための指針を得ることができると考えられる。
[受講対象者・レベル]
触覚の基礎から官能評価、シミュレーション、触感センサ、触感ディスプレイの基礎までを学びたい方。
[プログラム]
1.ヒトの触感とは何か?
1-1 ヒトの皮膚構造
1-2 触覚受容器の構造・機能
1-3 ヒト指の有限要素解析結果
2.指紋を有する触感センサの開発
2-1 触感センサの構造・機能
2-2 触感の解析結果
2-3 製品紹介(トリニティーラボ)
3.多変量解析による触感の解析
3-1 ヒトの触感認識機構の解析
(a) 物理特性の計測と心理特性の因子分析結果
3-2 ヒトの触感認識機構のモデル構築
(a) 因子分析結果
(b) ニューラルネットワークによる脳のモデリング
3-3 人工皮膚の開発と肌の質感と表面形状の関係の解析
(a) 人工皮膚の開発
(b) 肌の質感と表面形状の関係解析
3-4 皮膚上塗布物のトライボロジ特性と触感の関係解析
(a) 固体潤滑と流体潤滑の定式化
(b) つるつる、さらさら、すべすべの違い
(c) べたべた、しっとり、ぬるぬるの違い
3-5 紙の触り心地のモデル化
(a) 低次触感の因子分析結果
(b) 高次触感(安心感、爽快感、心地よさ)の因子分析結果
(c) 物性、低次触感、高次触感の関係
3-6 触感の呈示技術
(a) 複合触感呈示技術
(b) クリック感の提示技術
3-7 おわりに
[質疑応答・名刺交換]