SiCパワー・デバイスの放熱・耐熱材料の開発と実用化への対応

封止材料や基板材料に適用される高分子材料の性能を予測!SiCの接合温度を何℃にすべきか?今後の開発指針について解説!

SiCパワー・デバイスの放熱・耐熱材料の開発と実用化への対応

主催:R&D支援センター

日時:平成22年2月26日(金) 10:00〜16:20


第1部 SiCパワーデバイスの将来性と実装課題

《講座趣旨》
現行のSiパワーデバイスと比較するとSiCの物性値がSiに比べて大幅に異なり、この点から予測されるダイオードトランジスタの性能に基づいて構成されるインバータ・モジュールはSiの場合と比較し、損失1/100、耐圧10倍、高温動作化3倍などが予測できる。しかし現状はウエハは最大直径10cmでしかも欠陥あり、デバイスダイオードは出回っているがFETはまだ開発途上、実装やパッケージはまだ手が回らない状況である。幅広いユーザ(重電、電鉄、産業機器、自動車、家電)から熱い視線で期待されているSiCパワーデバイスを実装技術の観点から展望し、課題を明らかにしたい。

《プログラム》
1.SiCパワーデバイスインパク
  1.1 SiとSiCの物性値の比較

  1.2 SiCパワーデバイスへの期待

  1.3 SiCパワーデバイスの応用分野

2.SiCパワーデバイスの実装課題
  2.1 実装技術への取組みが遅れている理由

  2.2 SiとSiCのパワーモジュール実装の相違点

  2.3 SiCパワーデバイス・モジュール実装の課題

3.世界のSiCパワーデバイス実装開発動向
  3.1 日本の開発動向

  3.2 世界の開発動向

  3.3 最新の学会にみる実装開発動向(ICSCRM2009中心) 

第2部 パワーデバイス実装と耐熱性高分子材料

《講座趣旨》
低炭素社会の実現に向けてキーデバイスであるパワー半導体市場が急速に拡大している。SiCで代表される高効率なパワー半導体の開発が進む一方、その主役となるIGBTMOSFETインバータを高効率に作動させるためインバータモジュールとしてのパワー半導体の実装技術が重要課題となっている。本講座では、カーエレクトロニクスを中心に、これからのインバータモジュール実装に要求される有機材料、特に封止材料や基板材料に適用される高分子材料の性能を予測する。さらに、新しいコンセプトのもとに、研究を進めている耐熱性高分子材料を紹介する。

《プログラム》
1.低炭素社会とパワー半導体
  1.1 低炭素時代に向けての二酸化炭素の排出量削減計画

  1.2 パワー半導体の果たす役割と市場の予測

  1.3 インバータの応用分野とカーエレクトロニクス

2.パワーモジュールの開発動向
  2.1 デバイス、パワー密度、使用温度、冷却構造

  2.2 パワーモジュールの構造

  2.3 封止材料への要求性能

3.耐熱性、低熱膨張率エポキシ樹脂
  3.1 多環芳香族によるスタッキング効果

  3.2 架橋密度、ガラス転移温度、熱膨張率の関係

  3.3 硬化条件が熱膨張率に及ぼす影響

4.高耐熱シアネート樹脂の強靭化
  4.1 改質剤のマトリックス樹脂中でのin situ重合

  4.2 in situラジカル重合とマトリックス樹脂硬化反応の解析

  4.3 強靭化のメカニズム

5.まとめ

第3部 SiCパワーデバイスにおける放熱部材の課題と対応策

《講座趣旨》
温室効果ガス排出量削減を確実に進めるためには、高効率パワーモジュールの普及は必須である。現在のパワーモジュールに用いられている放熱部材を紹介すると共に、放熱部材を用いて放熱系を設計する場合のポイントを述べる。さらに、SiCパワーデバイスへと移行する場合の課題および対応策について示す。

《プログラム》
1.はじめに
2.パワーモジュールに用いられる放熱部材
  2-1 モジュールの構造と放熱部材

  2-2 放熱部材の構成

  2-3 各種放熱部材の特徴

3.放熱系設計のポイント
  3-1 放熱部材の要求特性

  3-2 Tjを決める要因

  3-3 Tjと放熱面積

4.SiCにおける課題と対応策
  4-1 SiとSiCの比較

  4-2 SiCの適正Tjは?

  4-3 放熱系とTj

5.おわりに

第4部 SiCパワーデバイスの開発と実用化への展望

《講座趣旨》
ハイブリッド自動車や電気自動車に代表されるように、パワー半導体バイスの需要はますます高くなってきている。また、それと同時に環境への取り組みも世界的に広がっており、高効率のパワー半導体が待ち望まれている。そのような中で、SiCデバイスが低損失パワーデバイスとして近年期待が大きくなりつつある。その背景としては、SiC基板の高品質化、デバイス作成技術の発展である。一部実用化しているSiC半導体バイスであるが、ここ数年で大きく市場を広げていくものと期待されている。

《プログラム》
1.SiCとは?
2.SiCデバイスに期待される市場
3.SiC基板の高品位化
  3-1 バルク成長

  3-2 エピタキシャル膜成長

4.SiCパワーデバイス
  4-1 ショットキーバリアダイオード

  4-2 MOSFET

5.まとめ