MLCCの小型化・大容量化に対応する内部電極材料の開発
小型・高性能化に向けた電極用微粒子の作成、グリーンシート成形、Niペーストの開発動向など詳解!
主催:R&D支援センター
日時:平成22年6月30日(水)11:00〜16:30
第1部 分級およびRF熱プラズマ法によるMLCC用微粒子材料の製造
<講座趣旨>
MLCCの品質に対する原材料の影響は大きく、微細でシャープな粒子径分布が要求されています。本講座では工業的に利用されている分級の原理と特徴を平易に解説し、分級機の性能を発揮させるための技術的ポイントとトラブルの対策を紹介します。またMLCCへの応用が期待されているナノ粒子について、高周波熱プラズマ法を例に説明します。
<プログラム>
1. 微粒子製造法の概要
1-1. ブレイクダウン・プロセス
1-2. ビルドアップ・プロセス
2.分級技術の概要
2-1. 分級の基本的原理
2-2. 分級機の分類
2-3. 分級機の構造と特徴
3.分級に影響を及ぼす因子
3-1. 操作条件
3-2. 粉体濃度
3-3. 粉体の凝集および付着性
4. 分級機のトラブルと対策
4-1. 製品粒度の変動と対策
4-2. 付着のトラブルと対策
4-3. 摩耗のトラブルと対策
5. RF熱プラズマによる微粒子材料の製造
5-1. RF熱プラズマ装置の構造と特徴
5-2. ナノ粒子の製造
5-3. 組成制御と複合化
5-4. ミクロン粒子の球状化処理
5-5. 液中分散と安定化善
【質疑応答・名刺交換】
第2部 積層型電子部品用水系誘電体セラミックスラリーの調製とそれを用いたグリーンシート成形、焼結、プロセス要因解析
<講座趣旨>
本講演では、その発展(小型化・高性能化)が著しく、かつ製造時の作業性・安全性・低コスト化の観点から環境に優しい製造プロセスの開発が求められている積層型の誘電体セラミック電子部品の水系プロセス確立のため、特にその成形工程においてプロセスの均質化のためにセラミックシート作製用スラリーに要求されるセラミック粒子の分散状態やレオロジーを得るための基礎的なデータ、そしてそれらがその後の成形および焼結後の誘電体セラミックスの諸特性に及ぼす影響について様々な角度から調査したデータをもとに、考慮すべき重要なプロセス因子について議論したい。
また、本講演の内容は、幅広いセラミック材料系の水系プロセスへも展開が期待でき、これまで経験的な要素が大きかったセラミックスのプロセス分野に積極的にサイエンスを導入することにより、大きな効果を見出すことを目的としている。
<プログラム>
1. はじめに
2. 積層型セラミック電子部品(構造、材料、製造プロセス)
3. 水系セラミックスラリーの調製
3-1.セラミック粒子の分散安定化 (分散剤添加が粒子の分散と凝集へ及ぼす効果を中心に)
3-2.セラミックシートの成形プロセス (スラリー製造と成形用有機添加剤、テープキャスティング法)
3-3.分散セラミック粉末に関する評価例 (水系スラリー中への構成元素の溶出量測定など)
3-4.セラミック粒子の分散状態及び分散セラミック粒子への分散剤吸着挙動の評価
4. セラミックグリーンシートの作製および焼結
4-1.水系スラリーを用いたグリーンシート成形と評価
(キャリアフィルムへの濡れ性、乾燥時に起きる問題点、有機高分子バインダの熱分解を中心としたグリーンシートの熱的挙動解析など)
4-2.グリーンシートの焼結挙動の評価
(焼結密度及び焼結収縮率測定、セラミックシートの反りに及ぼす影響、スラリーの分散性とセラミックシートの電気的特性との関係など)
5. セラミック層-電極(金属)層からなる積層体の作製と評価
(成形用助剤の軟化温度測定、デラミネーションの抑制、層境界部分の組成分析など)
6. 製造プロセスが製品の品質へ及ぼす影響
【質疑応答・名刺交換】
第3部 大容量MLCC用薄膜Ni電極ペーストの開発動向
<講座趣旨>
MLCCの小型・大容量化は凄まじく電極として使用されているNiペーストも近年一段と薄膜化が要求されている。電極ペーストメーカとしてはオリジナリティを発揮しないと厳しい生存競争を生き残れないのが現状であり、新技術の開発スピードアップが求められている。
本講演では、弊社で進めている高容量MLCC薄膜Ni電極の最新開発動向について紹介する。
<プログラム>
1.はじめに
2.高容量MLCC薄膜Ni電極用Ni粉末の開発動向
3.高容量MLCC薄膜Ni電極用ペースト溶剤の開発動向
4.高容量MLCC薄膜Ni電極用共材粉末の開発動向
5.次世代MLCC薄膜Ni電極の開発動向
6.おわりに
【質疑応答・名刺交換】