有機薄膜太陽電池の高効率化に向けた開発動向

有機薄膜太陽電池の高効率化に向けた開発動向
 〜有機太陽電池の高効率化・長寿命化への開発最前線〜

主催:R&D支援センター

日時:平成22年9月8日(水) 10:00〜16:00

第1部 「新規フラーレン誘導体の設計指針と合成・物性」

≪講座趣旨≫
フラーレン誘導体の光・電子機能は,フラーレンのパイ電子共役系の形に由来する.その形は,フラーレンに付加する有機基の数と位置によって決まる.望みのパイ電子共役系を設計・構築し,有機薄膜太陽電池に用いる優れたアクセプター材料となるフラーレン誘導体を開発する指針,考え方について,例を紹介しながら解説する.

≪プログラム≫
1. フラーレンの化学修飾
 1-1.フラーレン誘導体のパイ電子共役系と物性の相関
 1-2.種々のフラーレン誘導体と合成反応
  ・PCBM,フラロピロリジン,Bingel付加体
  ・高効率モノ付加反応
  ・フリーデルクラフツ反応によるヒドロアリール化反応
  ・多重付加反応
  ・フラーレン金属錯体
  ・フラーレン誘導体の超分子科学

2. 有機薄膜太陽電池に用いる新規フラーレン誘導体SIMEFの開発
 2-1.SIMEFの合成法
 2-2.SIMEFの電子的特徴,組織構造形成,熱物性
 2-3.SIMEFを用いた有機薄膜太陽電池

第2部 「有機薄膜太陽電池の高効率化に向けた新規溶解性フラーレン誘導体の開発」

≪講座趣旨≫
印刷技術などの溶液プロセスにより安価に作製できる次世代太陽電池として,有機薄膜太陽電池の研究が盛んに行われている.実用化のためにはエネルギー変換効率を向上させることが必要で,現在一般的に使われているフラーレン誘導体PCBM(Phenyl-C61-butyric acid methyl ester)に代わる,新規の溶解性フラーレン誘導体の開発が急務である.
本講演では,p型材料として高分子有機半導体ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(Poly(3- hexylthiophene): P3HT),n型材料としてフラーレン誘導体を混合して作製する,ドナー・アクセプタ「バルクへテロジャンクション」有機薄膜太陽電池の高効率化についての研究を紹介する.

≪プログラム≫
1.バルクへテロ接合有機太陽電池
  1.1.無機半導体太陽電池との違い
  1.2.有機太陽電池の動作原理
  1.3.光電変換層の構造
  1.4.エネルギー変換効率向上のための太陽電池設計

2. 有機半導体材料
  2.1.導電性高分子材料
  2.2.溶解性フラーレン誘導体(新規フラーレン誘導体など)

3.有機太陽電池の開発の現状(国内外)
【質疑応答・名刺交換・個別相談】

第3部 「有機薄膜太陽電池における電極界面の制御・評価法」

≪講座趣旨≫
有機薄膜太陽電池において複雑な挙動を示す電極界面の物性評価ならびに制御法について解説します。

≪プログラム≫
1.有機薄膜太陽電池における電極界面の影響
2.有機/陰極界面における電極界面評価法
       (光電子分光法を用いた電極界面評価)
3.有機/陽極界面における電極界面制御法
       (界面を利用した有機薄膜構造制御)
4.まとめ

第4部 「塗布形成法による積層型有機薄膜太陽電池の高性能化とアプリケーション」(仮題)

≪プログラム≫
1.緒言
2.有機太陽電池への取り組み
3.有機太陽電池高性能化へのマイルストーン
4.有機太陽電池の期待  
5.有機薄膜太陽電池の市場ニーズと将来展望