高分子材料中添加剤の分析方法

樹脂開発研究において重要となる添加剤分析について、効率的な前処理方法や各分析手法の特徴、事例を含めたデータの見方まで詳しく解説!

高分子材料中添加剤の分析方法

主催:R&D支援センター

日時:平成22年12月16日(木) 10:30〜16:30

第1部 添加剤分析の前処理技術とFT−IRによる定性分析

【講座趣旨】
 各赤外分光法は高分子組成分析や高分子材料中の添加剤の定性分析に使用されており、質量分析法や核磁気共鳴法などとともに高分子分析法の中でも古くから用いられている代表的な分析法の一つである。

1.添加剤分析は樹脂開発研究において重要であるが、煩雑で難しい。本講座では基礎から実際の分析のノウハウを解説する。
2.添加剤分析の仕方を体系的に説明し、分析の進め方を分かり易く解説する。
3.定性分析の代表的な手法である赤外分光法についてスペクトル解釈のノウハウを説明する。

【プログラム】
1.プラスチック用添加剤の概要
  1.1 プラスチック用添加剤の種類と効用
  1.2 新しい添加剤および最近の傾向

2.添加剤分析の進め方
  2.1 添加剤分析の意義
  2.2 既知試料中の添加剤の定量分析法の指針
  2.3 未知試料中の添加剤の定性分析の指針
  2.4 添加剤分析の難しさ、および、分析のコツ

3.添加剤分析の要素技術の分類と使い方
  3.1 前処理技術:溶媒抽出法、再沈法、熱脱着、その他
  3.2 添加剤相互の分離技術:GCHPLCSFCTLC、その他
  3.3 グループ分けのための分離技術:カラムクロマト、固相抽出、その他
  3.4 添加剤の定性・定量用分析技術:IR、UV、MS、PyGC、比色、その他
  3.5 分離-定性用組み合わせ分析技術:LC-IR、GC-MS、LC-MS、その他

4.添加剤の種類別分析法の指針
  4.1 特に分析が難しい添加剤:HALS、リン系酸化防止剤、カルボン酸塩
  4.2 その他の各種添加剤
     酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、
     難燃剤、スリップ剤、可塑剤、アンチブロッキング剤など

5.添加剤分析のための赤外吸収スペクトルの読み方
6.プラスチック製品中の添加剤の分析事例
7.成形品における添加剤の状態分析
  7.1 表面濃度・ブリードの分析
  7.2 相互作用の分析

8.FDAやポリ衛協申請のための添加剤分析
【質疑応答・名刺交換・個別相談】

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第2部 熱脱着/熱分解GCおよびMALDI-MSによる樹脂中添加剤の直接分析

【講座趣旨】
 ゴム・プラスチック樹脂などの高分子材料中に微量に添加されている、光安定剤をはじめとする各種添加剤を、溶媒抽出などの煩雑な前処理を行うことなく、熱脱着あるいは熱分解ガスクロマトグラフィーやマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-MS)などにより、迅速簡便かつ高感度に直接分析する技術について、具体例を紹介しながら概説する。

【プログラム】
1.高分子材料中添加剤の一般的な分析手法と問題点
2.熱脱着/熱分解ガスクロマログラフィーによる添加剤の直接分析
  2.1 熱脱着/熱分解ガスクロマログラフィー(GC)とは?−原理と特徴−
  2.2 熱脱着GCによるゴム中の可塑剤・老化防止剤の分析
  2.3 熱脱着GCによる塗膜中光安定剤の分析
  2.4 二段階熱脱着/熱分解GCによるゴム配合物の直接分析
  2.5 反応熱脱着GCによる樹脂中の高分子光安定剤の直接分析
    a)ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)について
    b)反応熱脱着GCとは−原理と特徴−
    c)ポリプロピレン(PP)材料中の高分子HALSの直接定量分析
    d)窒素リン検出器を用いた高感度化
    e)紫外線照射に伴うPP中のHALSの挙動解析
    f)無機系難燃剤を含むPP中の高分子HALSの分析

3.MALDI−MSによる樹脂中高分子HALSの直接分析
  3.1 マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-MS)とは?−原理と特徴−
  3.2 固体試料調製法を用いたMALDI-MSによるPP中の高分子HALSの直接分析
  3.3 内部標準法を用いた定量分析
  3.4 紫外線照射に伴うPP中のHALSの安定化挙動解析

【質疑応答・名刺交換・個別相談】