バイオ技術を用いたレアメタルの回収・リサイクル技術

低コスト、低エネルギー消費で、効率良く回収するために!リサイクルが困難なインジウムガリウム等への回収に適用できるバイオ技術を基礎から学び、新たな回収・リサイクル技術に活かそう!

バイオ技術を用いたレアメタルの回収・リサイクル技術

共催:R&D支援センター

日時:2011年6月17日(金) 10:30〜17:30

<講座のポイント>
新興国の高度経済成長による需要の急増、資源ナショナリズムの高まりなどによって、サプライチェーンの最上流 である“天然資源の供給サイド”で、制約条件が強まりつつある。このような状況のなか、ハイテク産業に欠かせないレアメタル都市鉱山(国内で大量発生する使用済み製品等)から分離・濃縮・回収することができる“経済的で効率の良いリサイクル技術”の開発が俟たれる。

 本セミナーでは、貴金属・レアメタル回収の従来技術とその課題から、都市鉱山からの有用金属(レアメタル、ベースメタル)のリサイクルに適用できる微生物機能(バイオミネラリゼーション、バイオリーチング、バイオソープション)について基礎から解説する。さらに、これら微生物機能を活用した具体的なレアメタル(白金族金属、インジウムガリウムマンガン)および貴金属の分離・濃縮・回収・リサイクル技術について、適用例、最近の動向、採算性を含めて解説する

<プログラム>
Ⅰ. レアメタルなど金属資源を取り巻く状況
  1. 市場状況

  2. 需要・供給

  3. 天然鉱山と都市鉱山

Ⅱ. 貴金属・レアメタル回収の従来技術とその課題
  1. 乾式法と湿式法

  2. 湿式法における要素技術(溶媒抽出法、吸着法、電解採取、化学還元など)

  3. 都市鉱山からの貴金属・レアメタル回収への適用性

Ⅲ. レアメタル等の金属類のリサイクルに関わる微生物機能
  1. バイオミネラリゼーション(金属イオンの固体粒子化)

    a. ミネラリゼーション微生物とその特性

    b. 金属イオンのバイオ析出機構

    c. 都市鉱山からの有用金属回収への適用性

  2. バイオリーチング(固体状物質からの金属の液相へのバイオ抽出)

    a. リーチング微生物とその特性

    b. 金属のバイオ抽出機構

    c. 低品位天然鉱石に対する商業プロセス開発

    d. 都市鉱山からの有用金属回収への適用性

  3. バイオソープション(金属イオンの収着・蓄積)

  4. バイオボラタリゼーション(金属イオンの気化/揮発化)

Ⅳ. 微生物を活用したレアメタル等の分離・濃縮・加工及び回収・リサイクル
  1. 最近のバイオ技術によるレアメタルなどの回収・リサイクルの動向

  2. 都市鉱山(浸出液)からの白金族金属のバイオミネラリゼーション

    a. 貴金属イオンのバイオ還元・析出機構

    b. 都市鉱山からの貴金属の高付加価値化リサイクルとしての特徴と課題

    c. 貴金属ナノ材料の新規調製法としての展開

  3. 希薄溶液からのインジウムガリウムのバイオソープション

  4. 廃電池からのマンガンのバイオリーチング

Ⅴ. 最近の動向と展望
  1. レアメタルのリサイクルに関する現状

  2. バイオ利用リサイクル技術の適用可能性と想定されるユーザー

  3. バイオ技術によるレアメタル分離・回収・リサイクルの経済性

  4. リサイクル技術ともに、都市鉱山を家庭から収集する社会システムの必要性

Ⅵ. 質疑応答