高張力鋼板(ハイテン材)の材料特性・成形と金型材料特性およびシミュレーション技術
難加工材であるハイテン材を上手に使いこなすための講座!材料特性と成形、金型材、シミュレーション技術の知識を駆使して、高品質な成形品を創りだすための特別セミナー!
高張力鋼板(ハイテン材)の材料特性・成形と金型材料特性およびシミュレーション技術
共催:R&D支援センター
日時:2011年6月20日(月) 10:30〜17:30
<講座のポイント><第Ⅰ講 講師>
自動車は我々の生活と切り離すことのできない存在となっている。それ故に我々の社会や自然環境との調和が強く求められている。交通事故発生時に乗員や歩行者をどの様に保護するか。限られたエネルギー資源の利用を如何にして少なくするか、等々、取り組まなければならない課題は多い。自動車が置かれたこの様な環境の中で、自動車の大部分を構成する素材である「鉄」が、どの様に変化し、貢献しようとしているかを紹介する。
<第Ⅱ講 講師>
ハイテン成形時における、金型材料選択の考え方と最近の効果事例を紹介。また、近年の高ハイテン材の成形には金型材料面での対応に限界があり、表面処理との兼ね合いが重要となっているため、その考え方を紹介する。
<第Ⅲ講 講師>
延性に乏しく、スプリングバックが大きい高張力鋼板を使いこなすには、有限要素法などの数値シミュレーションを活用した、成形不具合予測の高精度化と対策技術の高度化が不可欠です。成形シミュレーションの高精度化のためには、材料の塑性変形特性の高精度な測定と、計算に用いる材料モデルの高精度化を図る必要があります。本講義では、高張力鋼板の降伏曲面、バウシンガ効果、弾性率のひずみ依存性などの測定方法や、それらの実測値を材料モデルとして成形シミュレーションに反映させることで、解析精度が大きく向上した事例を紹介します。金型の弾性変形を考慮した解析事例も紹介します。
<プログラム>
Ⅰ. 高張力鋼板の材料特性とその成形性 10:30〜12:30
1.はじめに
a.自動車を取り巻く環境について
2.自動車用鋼板に要求される成形性と強度特性
a.外板パネル部品 −意匠性とへこみにくさ−
b.骨格構造部品 −衝突安全性−
c.足回り部品 −耐久性−
3.自動車用各種高張力鋼板
a.パネル用高張力鋼板
b.衝突安全性を向上させる複合組織鋼板
c.高疲労強度鋼板
4.まとめ
Ⅱ. 高張力鋼板(ハイテン材)成形のための金型材料特性と表面処理 13:20〜15:20
1.冷間プレス用金型材料について
a.冷間プレス金型材料の歴史
b.各鋼種の特徴と使い分け
2.ハイテン成形用金型材料の適用事例
a.最近の金型材開発事例
b.ハイテン成形時の効果事例
3.表面処理について
a.TRD,CVD処理と金型材料
b.最近のPVD処理適用について
Ⅲ. 高張力鋼板の材料モデリングと成形シミュレーション 15:30〜17:30
1.材料モデルとは
2.降伏曲面,バウシンガ効果,弾性率のひずみ依存性の測定方法と測定例
3.数値シミュレーションによる高張力鋼板の成形不具合解析の事例
a.引張曲げにおけるスプリングバック解析
b.穴広げにおける板厚減少の不均一解析
c.曲げ曲げ戻し変形における反りの解析
d.応力とひずみによる成形限界評価法
e.板鍛造の反り解析における金型の弾性変形の影響
f.自動車ボディーパネルの面ひずみの解析