医薬品における特許の権利化ノウハウとクレーム対応および知的財産戦略
権利化のための実務上の必須知識と合わせ、具体的なクレーム作成テクニックも修得できる特別講座!
医薬品における特許の権利化ノウハウとクレーム対応および知的財産戦略 〜演習付〜
共催:R&D支援センター
日時:2011年6月23日(木) 10:30〜17:30
<講座のポイント>
★医薬品の特許権を取得する場合の、強い特許明細書・クレームとは何か?
★実務上の必須知識と合わせ、貴社の知らないクレームテクニックを演習も交えて伝授!
医薬品の特許権を取得する場合には、どのような形で権利化するのが得策なのか・・・特許実務のみならず、各国判例・審決例などを踏まえつつ、さらに最近の技術革新を踏まえて、ノウハウをいかに隠しつつ権利化をすればよいかを解説します。
<プログラム>
Ⅰ. 医薬品メーカーの知財戦略
1.医薬市場の現状分析
a.横ばいの国内医薬市場・伸びが鈍化し始めた欧米抗体医薬市場・急伸する新興国医薬市場
b.抗体医薬に関する史上最高1600億円の損害賠償請求が認められた注目判例
(ジョンソン&ジョンソン事件)
c.ジェネンテックの歴史
d.ジェネンテックの知財戦略
e.ライセンス戦略(共存共栄)
f.IDECとのリツキサン共同開発成功事例(同業他社への支援の成功)
g.ヒト化・フラグメント化・修飾などによる改良特許戦略
h.抗体断片化によるルセンティスの成功
i.協和発酵キリンの知財戦略
j.クラスター戦略(一点集中強行突破)
k.瓢箪から駒のポテリジェント技術を目利力によりクラスター展開
l.個別疾患ターゲットに限定したライセンスポリシーによるポテリジェントの収益最大化
m.垂直統合戦略(コア技術の川下展開)
+水平分業戦略のハイブリッド戦略
自社開発による付加価値の内部取込
+自社コア技術の世界標準化による収益最大化
Ⅱ. 医薬 品特許の強い特許明細書・クレームの書き方
1.強い特許明細書・クレームとは何か?
a.スムーズに権利取得できる
b.無効審判で潰れない
c.公開後ライバル企業を牽制できる
d.訴訟でライバル企業を排除できる
e.自社の研究開発戦略がばれない
f. どんな国でも通用する
2.実施可能要件を満たす明細書の書き方
a.実験データはどこまで開示すべきか
b.テクニック1:釣道具は開示せず釣果のみ開示する
c.テクニック2:ダミー化合物の中に本命化合物を隠す
d.テクニック3:実験プロトコル&定性データのみ開示する
e.テクニック4:定量データは実験成績報告書で後出しジャンケン
f. テクニック5:作用機序を開示すべき場合・隠すべき場合
g.テクニック6:薬理データを開示すべき場合・隠すべき場合
h.最新判例解説:実施例の後出しが認められた判決(日焼け止め剤組成物事件)
i.最新判例解説:医薬組成物の製造方法の実施可能性が争われた事件(リーチ・スルー・クレーム事件)
j.最新判例解説:薬理データとサポート要件に関する判決(フリバンセリン事件)
k.従来判例解説:実験成績証明書を参酌すべきかどうかについて述べた従来の判例(エテンザミド事件)
l.従来判例解説:実験成績証明書を提出してサポート要件を充足させることを認めなかった大合議判決
(偏光フィルム事件)
m.従来判例解説:実験結果を定性的に記載してもOKという判例(除草剤事件)
3.新規性・進歩性を満たすクレームの書き方
a.化合物クレーム&剤クレーム&医薬クレームのどれが有利か
b.構成&作用&効果のどれで差別化するのが有利か
c.テクニック1:抗体・組成物の構成の違いで差別化
d.テクニック2:試験管内の生化学的作用を限定して差別化
e.テクニック3:細胞内の生理学的作用を限定して差別化
f. テクニック4:組織・臓器・個体での病理学的作用を限定して別化
g.テクニック5:効果のある疾患・病態・患者を限定して差別化
h.テクニック6:薬理データがある場合・ない場合のクレームの立て方
i.最新判例解説:第2医薬用途発明の容易想到性が判断された判決(胃炎治療剤事件)
j.最新判例解説:「機能限定剤」のサポート要件・進歩性を認めた判決(ドロキシラジカル消去剤事件)
k.従来判例解説:用途発明の技術的範囲のラベル化権的な解釈の判例の解説
(アレルギー性喘息の予防剤事件)
4.ユニバーサル・ドラフティングという考え方
a.一つの原稿で全ての国に対応する
b.日米欧に対応可能な特許明細書・クレーム
-先進国で新規性・進歩性を満たす
-先進国のライバルにアッセイ系を教えない
-先進国のライバルに候補化合物を教えない
c.中印に対応可能な特許明細書・クレーム
-発展途上国で実施可能要件を満たす
-発展途上国のライバルに製造困難な製造方法の書き方
d.日米欧中印に対応可能な理想のユニバーサル・ドラフティング
-日本、米国、欧州、中国における医薬用途発明の記載形式の違い
e.欧州拡大審決例解説:保護対象にならないバイオ関連発明(G1/04)
f.欧州拡大審決例解説:投与方法に特徴がある医薬発明の新規性とスイスタイプクレームに関する
欧州拡大審決(G2/08)(スイスタイプクレームの禁止)
g.米国判例解説:アメリカにおけるパリン事件により立法化された
米国特許法第287条第c項(1)(2)(医師免責規定)
h.米国判例解説:バイオ分野にも関係あるBilski事件(MTテスト)
i.米国判例解説:Bilski事件の悪夢の予言がMyriad事件で実現!(MTテスト)
j.米国判例解説:LabCorp事件(バイオ分野の保護対象)
k.中国専利法25条1項(疾病の診断方法の保護対象除外)
l.中国司法解釈:最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における
法律適用の若干問題に関する解釈
m.中国専利審査基準:物質特許&用途特許制度あり
n.中国専利審査基準:中国で生き残るのスイスタイプクレーム、用途発明は「一般式Iの化合物は
ある病気の治療に用いる薬剤の製造における応用」のような製薬方法のクレームで権利化
Ⅲ. クレームの書き方の演習
1.架空実験データを素材とする出題
a.有効成分の構成に特徴のある事例
b.有効成分の試験管内の生化学的作用に特徴の ある事例
c.有効成分の効果のある疾患・病態・患者に特 徴のある事例
2.クレームの講評
a.新規性・進歩性
b.実施可能要件
c.技術的範囲
d.総合的な講評・優秀者表彰