LSIにおける故障解析の基礎と応用

「なぜ壊れたのか?」の原因を突き止め、フィードバックさせて信頼性を確立しよう!

LSIにおける故障解析の基礎と応用

共催:R&D支援センター

日時:2011年6月24日(金) 10:30〜17:30

<講座のポイント>
LSIの故障解析技術は、LSIの構造の複雑さから、通常の部品のそれとは大きく異なります。また、構成要素の微細さから、装置やシステムのそれとも大きく異なります。
 本セミナーでは、講師の長年にわたる経験をもとに、LSI故障解析の特徴を基本「き」からていねいに解き明かします。LSI故障解析のステップは大きく5つに分かれます。まず、パッケージ部の解析です。次に、電気的測定結果とソフトウェアだけをもとに故障個所をチップ上の狭い範囲に絞り込み、その後、レーザビームなどの光を中心にした手段を用いてマイクロメータ程度の領域まで絞り込みます。次に、電子ビームや金属プローブを用いてサブ100nm程度の領域まで絞り込み、最後は、集束イオンビームによる加工と透過電子顕微鏡をベースにした観察で、ナノメータオーダの欠陥を解析します。
 日常利用される解析技術だけでなく、最新の故障解析技術の研究開発動向や実用化動向についても、実務家と研究者の双方の立場から解説します。

<プログラム>
Ⅰ. LSIの故障とその特徴
  1. ITRSにみるトレンド
  2. 主な故障モードと故障メカニズム
Ⅱ. LSIの故障解析技術概論 
  1. 基礎的事項
  2. パッケージ部の故障解析
    a. X線透視、X線CT  
    b. 超音波探傷法(走査超音波顕微鏡法) 
    c. 走査SQUID顕微鏡 
    d. ロックインサーモグラフィー
   3. チップ部の故障解析
    a. 故障診断
    b. 非破壊絞り込み技術
     - IR-OBIRCH -エミッション顕微鏡 - EBテスタ
    c. 半破壊絞り込み技術析)
     - ナノプロービング - 電位コントラスト法 - 吸収電流法(EBAC,RCI
    d. 物理化学的解析技術
     - FIB(集束イオンビーム)- SEM(走査電子顕微鏡
     - TEM(透過電子顕微鏡)/STEM(走査型透過電子顕微鏡
     - EDS(エネルギー分散型X線分光法)- EELS(電子線エネルギー損失分光法)
     - AES(オージェ電子分光法)
Ⅲ. 故障解析事例
  1. DRAMのIR-OBIRCHなどによる解析事例
  2. ロジックLSIの解析事例
    a. エミッション顕微鏡などでの解析事例:2例
    b. IR-OBIRCHでの解析事例:2例
    c. IR-OBIRCHとエミッション顕微鏡を組み合わせた解析事例
    d. 動的加熱法(SDL)を含む多くの解析手法を総動員した解析事例
  3. パワーMOS-FETの解析事例
  4. TiSi配線の解析事例
  5. 銅配線TEGの解析事例
Ⅳ. 新しい故障解析関連技術の開発・実用化動向
  1. 光を利用した故障解析技術発展の流れと最近の動向
  2. 電子顕微鏡関連技術
  3. イオンビーム関連技術
  4. 走査プローブ顕微鏡関連技術
  5. 3次元アトムプローブ