ゴムローラによる紙搬送特性解析・設計とスキュー・しわシミュレーション

ゴムローラによる紙搬送特性と解析、シミュレーション技術を理解して紙搬送機構のトラブルを回避し、更なる高機能、高速、高精度、高信頼性を実現せよ!

ゴムローラによる紙搬送特性解析・設計とスキュー・しわシミュレーション

共催:R&D支援センター

日時:2011年8月10日(水) 10:30〜17:30

[講師の言葉]
第Ⅰ講 講師
 プリンタ、ATMなどで使用されているゴムローラを用いた紙搬送機構の搬送特性は、ゴムローラの弾性係数、ゴムと紙の摩擦係数、紙の弾性係数などに依存する。本講義では、受講生に会場で配布するゴムローラと鋼ローラからなるニップ搬送機構の二次元解析プログラムによる解析結果をベースとして、最新の研究成果まで含めてローラ押し付け荷重の偏りによる紙の回転量の解析などの解析手法を解説すると共に、クラウンローラの設計法などの設計に関しても解説する。

第Ⅱ講 講師
 複写機、プリンタなどにおいて、その高機能化、高速化、高精度化、高信頼性等が強く望まれています。紙搬送の技術はこうした機器の開発・設計における重要な基本技術です。本講義では、最近の研究成果からゴムローラで搬送される紙の速度の決定メカニズムを紹介し、その応用について述べるとともに、紙のスキュー、紙のしわ等の発生原因についてシミュレーション結果等を用いてやさしく解説します。

[プログラム]
Ⅰ. ゴムローラによる紙搬送特性解析と設計
  1.短軸ゴム挟持ローラの基本特性解析
    a.ゴムローラ変形の基礎理論
    b.ゴムローラ接触解析とアルゴリズム
    c.解析結果と物理的意味
  2.基本特性解析プログラムの概要と使用法
    a.プログラム概要
    b.準備と使用法
    c.結果の表示
  3.長軸ゴム挟持ローラによる紙搬送特性解析
    a.解析の仮定と手法
    b.解析結果の一例
    c.偏荷重に対する紙のスキュー解析と設計
    d.ニップ部の圧力分布解析とクラウンローラの設計
  4. 短軸ゴムローラを用いた繰り出し機構の搬送特性解析
    a.解析の仮定と手法
    b.解析結果と物理的意味

Ⅱ. 紙搬送とスキュー・しわシミュレーション 
  1.ゴムローラによる紙搬送系の技術課題
  2.紙搬送シミュレーション技術
    a.主要解析ソフトについて
    b.MARCによるシミュレーション手順と摩擦力特性
    c.シミュレーション結果
      ・紙速度
      ・摩擦力
  3.紙搬送速度の簡易計算法
    a.1個のローラによる紙搬送
    b.2個のローラによる紙搬送
    c.積層した紙のゴムローラによる繰出し 
  4.ゴムローラの摩擦と弾性が紙速度に及ぼす影響
    a.ゴムローラ・紙間の摩擦力特性
    b.ゴムローラニップ部の伸び歪
  5.紙のスキュー
    a.ローラ押付け力の不均一,摩擦係数の違い等
    b. シミュレーション結果とスキュー発生原因の考察
  6.定着ローラ部における紙しわ発生について
    a.簡易紙しわ発生実験
    b.しわ発生のコンピュータシミュレーション(ローラ軸方向分割なし/折れしわ)
    c.ローラを軸方向に分割したシミュレーション(出っ張りしわ)