新商品・ビジネスモデル創りをリードするイノベーション人材育成
ケーススタディやワークショップを通じて、イノベーションを実現する具体的な着眼点や思考方法を身に付けるための特別セミナー!
新商品・ビジネスモデル創りをリードするイノベーション人材育成セミナー/ワークショップ
共催:R&D支援センター
日時:2011年8月10日(水)10:30〜17:30
[講師の言葉]
あなたの部署、あなたの会社は、今後5年、既存製品の改良や価格競争、他社並みの新製品、現在のビジネスモデル、企業構造(事業構成)で生き残れますか。
あなたの部署、あなたの会社の生き残りと成長のためは、他社を超越する新製品やビジネスモデルや企業構造、すなわちイノベーションが必須ではないでしょうか。
本セミナーを通じ、イノベーションは、多様な人材の活動による執拗な試行錯誤、常識に囚われない目利き人材の洞察力によって成し遂げられることを実感していただきます。
本セミナーではイノベーションモデルに関する講義に加え、そのモデルを体感するワークショップを実施し、参加者のイノベーション人材としての可能性を高めます。
[プログラム]
Ⅰ. イノベーションが貴方・貴部署、貴社を救う
1.「相当良いモノをなるべく安く」ではとても勝てません
a.ダントツ企業となるか(超品質、超適応、超低価格、超巨大規模、・・・)
b.生態系(ビジネスモデル、業界モデル)の創造企業となるか
2.日・米・アジアのIT・エレクトロニクス企業でのイノベーション比較
a.Google、Apple、インテルのイノベーション(生態系創造)vs.日本企業
b.サムスン電子のイノベーション(超対応、超巨大規模)vs.日本企業
Ⅱ. イノベーションの本質とイノベーションモデル
1.イノベーションの本質は不確実性の克服
a.多様性:主に技術的な不確実性を克服し不可能を可能にするキーファクター
b.価値抽出(洞察力):需要の不確実性を克服し収益をあげるキーファクター
2.イノベーションのSCEモデル(Stock-Combination-Extraction)
a.多様性を生むStock(蓄積)とCombination(結合)プロセス
b.当初の想定外の価値をも含む価値抽出(Extraction)プロセス
多様性確保と価値抽出によるイノベーション
Ⅲ. イノベーションのケーススタディ
1.技術的イノベーション
a.トランジスター(ショックレー)/高分子測定法(田中耕一)
・強い目的意識下での試行錯誤による偶発的新結合から当初目指していた通りの価値を抽出
b.導電性ポリマー(白川英樹)
・多様な人材の学識と鋭い感性・洞察力により、当初は求めていなかった導電性プラスチックという価値を抽出
2.製品・事業のイノベーション
a.ポスト・イット(3M)
・失敗(偶発的新結合)から生まれた粘着力の弱い糊を、貼って剥がせる栞という価値に結実
b.ウォークマン(ソニー)
・技術者の遊び(偶発的新結合)からパーソナル・オーディオという価値を抽出し、ライフスタイルにまで昇華
c.日本語WP(東芝)
・狙い通りの“かな漢字変換”効率を実現し、日本語WPが文書作成のプロの道具に留まるという大方の予想を超え一般人の文書作成を一変する価値を抽出
3.ビジネスモデル・企業構造のイノベーション
a.メモリ事業からMPU事業への転換での生き残り(インテル)
・メモリで日本企業との競争に敗れ、MPU事業に追い込まれた事態に関する認識を刷新し、MPU企業として世界一の半導体メーカとなる
b.垂直統合の維持(IBM)
・ガースナーは、垂直分割によりそれぞれの競合企業と対峙すべきであるとの認識を改め、垂直統合こそがIBMの顧客価値であることを認識し同社を再生
c.Android vs. Windows Mobile(Google)
・マイクロソフトは、Windows Mobileを性能・機能競争の事業と捉えたが、Googleは生態系作り事業と考え、Androidを無料配付しAndroid Marketを創設した
d.AdWords広告(Google)
・Googleは、検索事業の構想にはなかった、検索結果に応じた広告を掲載するビジネスモデルを導入し、2兆円を超える広告収入を得るまでに至った
e.iPod with iTunes Music Store(Apple)
・AppleはiPodにオンライン楽曲販売を組み合わせることにより、確固たるビジネスモデルを構築し、その拡張によりIT業界最大の時価総額に至った
Ⅳ. イノベーション人材育成ワークショップ
ワークショップは二段階で実施します。はじめに、様々な視点から新たな可能性を拓く多様性(結合要素や結合結果)を再発掘します。
1.多様な結合の発掘演習
a.自社・他社の失敗事業の発掘
b.自社・他社の小成功事業の発掘
c.自社の強み・DNAを含む結合要素や結合の発掘
d.協業を想定した結合要素や結合の発掘
e.ランダムな結合発掘
実は、イノベーションに向けて様々な結合(可能性)を保有していることに気が付くはずです。ここでは、KJ法と同様に、なるべく否定的評価をせず、多くの可能性を見出します。続いて、その結合の価値を抽出します。上記の多様な結合を評価しましょう。新たな価値を抽出するためには、従来とは異なる文脈(環境)に結合を置いてみることが重要です。
2.価値の抽出演習
a.否定要因を肯定要因にする文脈検討
b.評価者の立場の転換による文脈検討
c.用途転換による文脈検討
d.収益源の転換による文脈検討
e.評価基準・価値の転換、常識を超越する文脈検討
ある結合から抽出できる価値、それが技術と市場の不確実性の克服につながる、ということが見えそうならばイノベーションへ一歩接近です。
目的からの単純な逆算ではなく、もちろんあてのない試行錯誤でもない、というイノベーションの実態に肉薄していただくことを目指します。
Ⅴ. ワークショップ結果のプレゼンテーションとキーファクターレビュー
1.ワークショップ結果のプレゼンテーション
a.結果のプレゼンテーション
b.相互ディスカッションと講師コメント
2.キーファクターレビュー
a.SCEモデルによるイノベーション促進のポイント
b.イノベーション促進の組織マネジメント
①イノベーションの場作り
②リーダーシップとコンセプトの意義
③パトロン・インキュベーターの役割
④内発的動機づけの重要性
⑤経営トップの決定的重要性と株主価値の意味
※適宜、受講者間の問題意識・課題の共有、解決に向けた意見交換を行います。