演習を通して学ぶ疲労強度設計のポイント

加工原理から最新技術まで解説するセミナー。新しい素材やニーズ、高度な寸法精度・形状精度に対応した研磨加工技術を基礎から系統的に学べる講座!

演習を通して学ぶ疲労強度設計のポイント 〜演習付〜

共催:R&D支援センター

日時:2011年9月22日(木) 10:30〜17:30

[講師の言葉]

3次元CADが普及し、それに伴って応力分布の状態の把握も容易になった。しかし、把握には多大な時間と費用を要する。設計段階では、時間的な制約もある。端的に応力状態を把握して作業を進める必要がある。それには応力分布の持つ特徴や強度評価とのかかわりについて広く知識を有していることが大切である。

 また、故障の原因追究を設計者に求められることも多いが、設計者の立場と管理者の立場とは微妙に異なる。FMEAの構築の際にも設計者の立場からもの申す必要がある。

 本講習では、設計におけるFMEAの考え方から設計に取り入れるべき確率、応力集中、疲れ限度線図を利用した疲れ強さの推定に述べ、実務へと活かせるよう詳解する。また、各項目で演習を行い、実機の設計時に必要不可欠な知識を習得出来るよう指導する。

[プログラム]

1.設計におけるFMEAに対する考え
  1-1 設計における特性要因の捉え方
  1-2 故障に対する考え方
  1-3 要因の評価(閾値)について
  1-4 演習
 現在FMEA(故障モード解析)が取りざたされている。設計の立場から述べられているものが少ない。管理の面からのものが多い。設計の立場からすると異質とも思える。設計の立場に立ってのFMEAに関するマトリックス表の構成法について私なりの考え方を述べる。
2.設計に取り入れるべき確率について
  2-1 確率の基礎的事項
  2-2 設計への適用
    a.強度評価(閾値の扱い)
    b.寸法公差の扱い
  2-3 演習
 設計に使用される諸物理量は確率分布をしている。疲れ強度もそうですし、寸法公差もそうです。この分布(確率密度関数)について少し説明を加えます。とりわけ、複数の部品から構成される場合には、確率分布の加算も必要になるので、その扱いについても触れる。
3.疲れ強度についての基礎的な事項
  3-1 材料力学による扱いと破壊力学による扱い
  3-2 応力集中
  3-3 演習
 設計では、段つき部や穴部等を設ける。このような個所には、応力集中を生じるのであるがその応力集中の大きさを設計図を書きながらでも推察できるのが良い。それを短的に把握する方法を述べる。その結果を設計に反映させる方法についても触れる。
4.疲れ限度線図を利用した疲れ強さの推定
  4-1 静的強度と動的強度の両者を加味した評価法
  4-2 疲れ限度線図による評価
  4-3 演習
 部品設計では静的強度と動的強度の両者を考慮して行う必要がある。この両者を疲れ限度線図を利用して求める手法について述べる。(ここでは破壊力学による方法については触れないことにする)