光通信量子暗号とそのクラウド・システムの安全性確保への応用
実用化と動き出した“究極の暗号技術”とその応用について解説するセミナー!クラウド時代の暗号技術、“光通信暗号技術”の原理とその実施例を学び、データの安全性を確保せよ!
共催:R&D支援センター
日時:2011年10月21日(金) 10:30〜17:30
【講師の言葉】
クラウド・コンピューティング・システムがIT社会を大きく変えようとしています。クラウドにはインフラ、ソフトウェア、プラットフォームなど、いくつかのサービス形態がありますが、いずれも高速通信網を使いデータセンターを中心として企業、公共機関、自宅などとデータのやり取りをします。そこに定量的に安全性が保証できる暗号がなければ、最先端のシステムも絵に描いた餅になってしまいます。
このクラウド・システムの核となるデータセンターの安全性を確保するためのセキュリティ対策の必要性が、1998年に米国国防総省科学支援プログラムの企画として喚起されました。その対応技術として新量子暗号の研究がYuen教授(ノースウエスタン大学)の2000年度国防総省(DARPA)受託研究において開始されました。それはYuen-2000プロトコル:通称「光通信量子暗号Y-00」と呼ばれています。
本講義では、クラウド・システムの安全性の設計概念とそれに呼応する光通信量子暗号の原理と応用法を解説します。
【プログラム】
Ⅰ. 第二世代インターネット(クラウド・システム)のセキュリテイ
Ⅱ. 数理暗号技術とその課題
1.数理暗号の概念
2.数理暗号の構成法と諸例
Ⅲ. 物理暗号への道程
1.物理暗号の歴史
2.現代物理暗号の諸例と課題
2.量子雑音とは
3.量子雑音によるデータスクランブル
4.ガウス・ユーエンの原理
5.光通信量子暗号Y-00の実施法
Ⅴ. 光通信量子暗号のクラウド・システムでの実施例
1.試作装置の特性
2.システム実験の現状
3.クラウド・システムへの標準装備に向けて