トライボロジーの基礎と安心・安全設計への応用

機械システムの性能・効率・信頼性向上に必要な技術!現象が複雑な摺動面の動きを滑らかにするための摩擦低減化や摩耗予測法、対策と最適な潤滑法の選定および設計データ試験法を修得し、長寿命な製品つくりに活かそう!

トライボロジーの基礎と安心・安全設計への応用

共催:R&D支援センター

日時:2011年10月21日(金) 10:30〜17:30

【講師の言葉】
転がり要素や摺動部品を安全・安心に利用するには、摩擦や摩耗の予測、最適な潤滑方法の選定がキーポイントであることはよく分かっていても、実際の設計、製造プロセスの上流からそれを考慮した設計を行うことは意外となされていません。これは、摩擦・摩耗現象が複雑で理論的な解析が容易ではないと思われていることが原因の一端であるように感じられます。

 本講座ではまず第一に摩擦、摩耗、潤滑、それぞれの基礎理論と相互の関連について詳述します。次に機能設計や強度設計と同様に設計の上流で使えるトライボ設計の考え方を学びます。特に実用設計では欠かせない潤滑効果の見積もりや、トライボロジーにかかわる設計データを収集する基礎試験の考え方について詳述します。

【プログラム】
Ⅰ.摩擦・摩耗・潤滑に関する経験側
  1.表面粗さと摩擦の関係

  2.潤滑状態と摩耗

  3.摩擦係数の見積もり

Ⅱ.摩擦現象の理解
  1.接触面の微視的な構造と変形

  2.接触面の応力状態と摩擦係数

  3.摩擦の影響因子

  4.低摩擦のための方策

Ⅲ.摩耗現象の理解
  1.摩耗単位

  2.摩耗の分類とその考え方

  3.摩耗状態図

  4.低摩耗のための方策

Ⅳ.潤滑理論
  1.潤滑状態の分類

  2.流体潤滑の原理

  3.境界潤滑の基礎

  4.潤滑油 

    a.ベースオイル

    b.添加剤

Ⅴ.摩擦, 摩耗, 潤滑の相互関係の理解
  1.摩擦状態と摩耗

  2.潤滑状態と摩耗

  3.なじみ運転における摩擦と摩耗

Ⅵ.機械設計における摩擦・摩耗・潤滑の考え方
  1.強度設計での摩擦・摩耗の影響

  2.機能設計での摩擦・摩耗の影響

  3.潤滑最適化の考え方