カルマンフィルタの基礎と応用

誤差のある観測値を用いて、ある動体システムの状態を推定・制御するための理論、アルゴリズムを修得し製品や、システムに応用しよう!

カルマンフィルタの基礎と応用

共催:R&D支援センター

日時:2011年10月27日(木)10:30〜17:30

[講師の言葉]
カルマンフィルタはKalman・Bucy によって1960・61年に発表され、人工衛星やロケットの軌道推定に用いられたが、その後ロボット制御を含む各種制御システムの状態推定、経済時系列の予測・推定, 機械振動系の推定、土木工学分野、また最近では認知・情報科学分野、気象・海洋、GPS移動体通信など様々な時系列の推定問題に応用されている。
 本講座では、筆者の「新版応用カルマンフィルタ」の中から6時間のコースとして必須項目を取り上げて、カルマンフィルタの概要をわかりやすく説明する。 カルマンフィルタの内容から、ベイズ推定や線形確率システムなど、どうしても数学的な事項が多くなるが、その都度補足説明をしながら講義する。 カルマン フィルタの単なる結果だけではなく、どうしてそのようなアルゴリズムが得られたのかという基礎的な点の理解に重点をおく。また非線形フィルタの最近の動向 についても簡単に触れ、受講者のフィルタリング問題に対する全体的な理解を深めて頂くことを目標とした。この講義によって、カルマンフィルタを応用する機会が広がることを期待したい。

[プログラム]
Ⅰ.はじめに
  1.カルマンフィルタとは
  2.カルマンフィルタの歴史
  3.非線形フィルタの歴史
  4.応用例の紹介
Ⅱ.推定論の基礎
  1.確率変数の推定
  2.ベイズ推定
  3.最小分散推定
  4.多次元ガウス分布
  5.条件つき期待値
  6.逆行列補題
Ⅲ.線形確率システム
  1.白色雑音
  2.ARモデル
  3.ARMAモデル
  4.状態空間モデル
  5.可制御性と可観測性
Ⅳ. カルマンフィルタ(1)
  1.問題の定式化
  2.条件つき確率分布の推移
  3.一般線形回帰モデル
  4.観測更新ステップ
  5.時間更新ステップ
Ⅴ.カルマンフィルタ(2)
  1.カルマンフィルタのまとめ
  2.リカッチ方程式
  3.カルマンスムーザー
  4.カルマンフィルタ:雑音に相関のある場合
  5.カルマンフィルタ:例題
Ⅵ. カルマンフィルタのプログラム
  1.フィルタのMATLABプログラム
  2.スムーザのMATLABプログラム
  3.シミュレーション:状態推定
  4.シミュレーション:パラメータ推定
  5.非線形フィルタリング
  6.全体のまとめ