ポリマーアロイの相溶性・相分離機構・構造制御と材料設計
異種高分子の相溶性・相分離・リアクティブブレンドなどの基礎から、それらを応用した多彩な構造制御方法を説明!多くの実用化されたポリマーアロイの具体例や最近の動向を紹介!
主催:R&D支援センター
日時:2012年8月27日(月) 12:30〜16:30
【講座のポイント】
ウイスキーはいくつかの蒸留所で作られたモルトを何十種類もブレンドしたものである。ステンレス鋼はFeにCrを添加して錆びにくくしたものである。航空機に使われているジュラルミンはAl にCuやMgを加えて高強度化を図った合金(アロイ)である。高分子材料においても合金と同様に、複数のポリマーを組み合わせて材料物性の向上や新しい機能の発現が可能である。この取組みから生まれるのがポリマーアロイである。
本講では、異種高分子の相溶性・相分離・リアクティブブレンドなどの基礎について解説するとともに、それらを応用した多彩な構造制御方法を説明する。また、多くの実用化されたポリマーアロイの具体例や最近の動向を紹介する。
【プログラム】
1.はじめに
分子構造−加工−構造−物性−材料・用途
H2O固体: 氷、雪、雹、霰
ポリエチレンテレフタレートの成形加工−構造−用途
(PETボトル・磁気テープ・ポリエステル繊維)
2.相溶性と相図
2-1.相互作用パラメターと相図
2-2.水素結合性相互作用による相溶
2-3.コモノマー間斥力的相互作用による相溶
2-4.相溶系の応用
2-4-1.エンジニアリングプラスチック PPE/PS, PEEK/PI
2-4-2.軟質プラスチック・高分子可塑剤
2-4-3.耐油性エラストマー
2-4-4.複屈折制御
3.相分解による構造発展と応用
3-1.スピノーダル分解
3-2.反応誘起型相分解
3-3.せん断依存相溶解・相分解
3-4.応用
・航空機用CFRP
・半導体パッケージ用接着剤
・多孔質材料
・スーパーオレフィンポリマー
・PC/ABS, PBT/PCアロイ
4.非相溶系の構造制御
4-1.ブロック共重合とドメイン形成
4-2.グラフト共重合によるサラミ構造形成
4-3.リアクティブブレンドによる構造形成と応用
4-3-1.in situ-formedコンパティビライザー
4-3-2.引き抜きによるbimodal粒径分布
4-3-3.引き込みによるナノサラミ構造
4-3-4.動的架橋による相反転とマトリックスのエラストマー化
4-4.応用
・スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)
・HIPS、ABS樹脂
・耐衝撃性透明アクリル樹脂
・耐衝撃性ナイロン
・耐熱老化性PLAアロイ
・超塑性PBTアロイ
・耐メルトダウン性エンプラ
・非粘弾性衝撃吸収ナイロン
・オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)
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