高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の基礎と応用
分離と検出、前処理の基礎と応用、様々なノウハウやトラブル対策などを習得し、分析精度の高い測定やHPLCシステムの稼働時間の向上につなげよう!
〜上手に使うためのノウハウ、トラブルシューティング〜
主催:R&D支援センター
日時:2012年8月29日(水) 10:30〜16:30
【受講対象】
・HPLCを使用している技術者あるいは研究者
【予備知識】
・HPLCにおける基本的な原理、システムの操作などについての知識と経験(1〜5年程度)がある方が、理解しやすいと思われます。
【修得知識】
・HPLCの測定条件を設定できる知識。基本的な前処理方法、HPLCのカラムと移動相溶媒の使い方、検出器の特徴と誘導体化法による検出法、データ処理法の基本、分離のテクニック(グラジエント溶出法、カラムスイッチング法)などの修得。HPLCに発生するトラブルと原因の関係、トラブルの原因の見つけ方の基本、ゴーストピークへの対処法など。
【講座の趣旨】
分離分析・分取精製法として最も多く利用されている高速液体クロマトグラフィーは、多種多様な試料中の成分を分析する手段として広く利用されています。その発展は、HPLCシステムと分離の場であるカラム(充填剤)の進化により、身近に利用できる技術として高いレベルに到達しています。
HPLCを使いこなすためには、分離と検出、および前処理の基礎と応用などの知識が必要になると同時に、様々なノウハウが日々の業務を円滑に進めることができる技術につながります。特に、HPLCにおけるトラブルの発生は、不可避な問題であるため、これらへの対応の知識も重要なスキルとなります。本講義では、実際のHPLCのオペレータや測定条件の開発者の方々にとって、参考やヒントとなるようにわかりやすく解説し、分析精度の高い測定やHPLCシステムの稼働時間の向上につなげられるための知識を得ていただく講座と考えています。
【プログラム】
1.HPLC入門
1-1.HPLCとはどんな機器分析法?
1-2.基本的なシステム構成
2. カラムと移動相
2-1.分離モードの特徴
・逆相クロマトグラフィー
・順相クロマトグラフィー、
・親水性相互作用クロマトグラフィー
・イオン交換クロマトグラフィー、
・サイズ排除クロマトグラフィー
2-2.充填剤の種類と移動相溶媒の使い方
2-3.溶出挙動(移動相の変化と保持の挙動)
2-4.イオン化抑制法、イオンペアー法
3.分離のテクニック
3-1.グラジエント溶出法
3-2.カラムスイッチング法(異なった分離モードの組み合わせ、2次元クロマトグラフィーなど)
4.検出法
4-1.HPLCに使用する検出器の特徴
4-2.誘導体化法(ポストカラム誘導体化法、プレカラム誘導体化法など)
5.データ処理
5-1.定性分析
5-2.定量分析
5-3.分子量分布計算
5-4.無次元特徴パラメータによる状態判定
5-5.有次元・無次元特徴パラメータとの統合による状態判定
6.HPLCのパラメータ
6-1.保持の大きさを表すパラメータ
6-2.カラムの効率を表すパラメータ
6-3.ピークの対称性を表すパラメータ
6-4.分離の度合いを表すパラメータ
6-5.その他のパラメータ
7.前処理
7-1.HPLCに使用する前処理方法
7-2.固相抽出法
7-3.超臨界流体抽出法
8.分析条件確立のための手順と留意点
8-1.試料の取扱と調製
8-2.移動相溶媒の作り方
9.セミ分取HPLC
10.超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)の特長
11.各種応用例
12.HPLCにおけるトラブル
12-1.トラブルの現象と原因の関係
12-2.現象から読み取る原因の推定方法
12-3.ゴーストピークの原因調査と対処法例
【質疑応答・名刺交換・個別相談】